勿沉醉于旧梦(11)

宴会はいつものように、傘持ちの咲夜とレミリア、大食いの幽々子そして妖夢、四季映姫様までいらっしゃった。みんな霊夢に慰めていき、私はそばでそれを眺めていた。話しかけてきたのは古明地さとり。
「つらいでしょうね。」
どう返事していいかもわからなく、ただ彼女と静かに座っていた。そこで霊夢が暴れていた。
「…あんたが時を止めて、魔理沙を速く運んでいれば、救われるじゃないですか？」霊夢が咲夜にそう質問した。
「言ったじゃない！時を止めばナイフならいいが、人を運べるわけがないでしょ！」
「そして永琳も、なんの頭脳って優れた医者って。そんな小さな傷も癒せないなんて…」
「もういい。あんた、博麗の巫女として見苦しいわ。咲夜、帰るわよ。」レミリアが凛とした声で言った。
「あの子も自分を責めているようだね。『自分が誘わなければ』、と。」古明地さとりがそう判断した。
魔理沙を葬る時はささやかな雨が降ってきた。その時霊夢の頬にあった水が涙か雨か分からなくなった。私とパチュリーがそばで静かに見ていた。いつもの微笑みがなければ、魔理沙の顔はなんだか見知らぬ人のように見えた。彼女が着ている服が私が縫い直したその黒いメイド服。そして棺の中にはそのウィッチ帽子とホウキ。チルノが泣く声があんまりにも大きくて、わたしには耐えられないほどであった。幽々子は魔理沙が幽霊になって冥界に来るかもしれないって、そして四季映姫様も判決する時は必ず会えるといった。当然、それはただの嘘。

霊夢があんなに暴れた後、神社に参る客と妖怪が減っていく一方だった。もしかしたら、魔理沙という接着剤がいなくなったという原因もあるかもしれない。霊夢というやつ、人に頭を下げるタイプではないし。私はたまに神社を行って、霊夢にやいたおやつを送ってきた。そこにいても、霊夢がずっと暗くて、ちゃんとした話もできなかった。いつも寝転んでも、目の隈が深まっていた。一度彼女の口から「あの子供、絶対討ってやる」と聞いて、私も驚いたが、最後までも人里に再び訪れなかった。
あの日はとても晴れた一日でした。「博麗の巫女はあんな風に続けてはいけない」と思って、私は霊夢をハイキングに誘おうとしていた。神社に着いて、霊夢が廊下ではいなかった。中に行けば、霊夢が転がっていた。もう固まった血の溜まりが彼女の頭の下から広まっていた。その手に、例の黒い「銃」。
博麗の巫女もその奥の山に休むべし。今回は宴を行わなかったが、その人と妖怪たちはまだ来た、咲夜と永琳も。ただレミリアは来てなかった。博麗霊夢の墓は、霧雨魔理沙の墓のそばに建てた。その後、八雲ゆかりは大結界が破れることを恐れて、自分の力でその結界を補強した。そして「博麗の巫女」という名は誰が継ぐか、大した妖怪たちが検討しようとする。結果はいつまでも出ないけど。