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第一章 島を出た少年(6)

第一章   島を出た少年


頼みの綱の「Yahoo!知恵袋」の回答は、ほとんどが「仕事を舐 [な] めるな」とか「もしかして家出wwww」とか「労基法違反です。タヒネ」とかだったけれど、そんな罵声 [ば せい] にまじって「風俗店のボーイなら身分証不要ですよ」とかう情報を見つけ、必死の思いで険索していくつかの風俗店に面接の予約を入れた。しかし実際に面接に出かれたら柄の悪そうな若い男に「身分証なしで雇えるわねえだろテメエうちの店舐めてんのか」と怒鳴りつけられ、泣きそうになりながら逃げ帰った。ていうか怖すぎて実際にちょっと涙が出た。
そんなふうにして、気づけばあっという間に五日が経っていた。
駄目だ。このままじゃ駄目だ。漫画喫茶の狭い個室で、僕は家計簿代わりのメモを見る。ここのナイトパックが一泊二千円、その他交通費やら食費やらで、島を出てから既に二万円以上遣ってしまっている。家出費用の五万円をほとんど無限の大金に思えていた一週間前の自分の浅はかさに、今になって腹が立ってくる。
――よし、決めた!と、口に出しながら僕はメモをぱたんと閉じた。背水の陣だ。個室に散らばった荷物を、僕はリュックに詰め始める。ここの漫画喫茶は引き払おう。節約せねば。バイトを決めるまで宿には泊まらない。今は夏だし、二、三日ならば外でだって眠れるはずだ。決意が薄まらないうちにと足早に店を出る僕の後ろで、『局地的豪雨の発生回数は』と、店の壁掛けテレビが人ごとみたいに告げていた。『観測史上最多だった昨年を既に大幅に上回っており、七月にかけて更に多発する見込みです。外出の際は、山や海だけではなく市街地においても十分な注意を――』

第一章   島を出た少年


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