《闪光的哈萨维》小说·日文版(第一章·琪琪)(4)
2023-10-27 来源:百合文库
いってみて、ケネスは、自分のセリフに苦笑していた。相手は、ただのガキじゃないか、と思いたかったのだ。
その彼の照れが、表情に出たのだろう。少女は笑ったようにしたが、すぐに普通の顔にもどって、ケネスの目に見入った。
初対面の少女に、このようにはっきりと目の中を見つめられるというのは、ケネスには、初体験のように思えた。なにより、少女の瞬間、瞬間のバラエティあふれる表情に、ケネスは胸をつかれた。
「いいかな? そこに座って……」
この3スリーシートの列が、彼女だけだということは、キャビンのすべての乗客が知っていることだった。
「困ります。長い時間は」
少女は、はっきりといった。
「……? 短ければ、いいというのか」
「ええ、数分というところでしょうね」
そういわれる感覚は、決して不愉快ではない。
「そうさせてもらうよ。わたしは、連邦軍のケネス・スレッグだ」
自己紹介をしながら、ケネスは、身体をシートの上に流してすわった。
「大佐さんぐらいでいらっしゃいます?」
少女は膝においたディスプレーを消すつもりもなく、ケネスの動きを透明なブルーの瞳ひとみで追った。
「なにを読んでいるんです」
「絵本です。ホラ」
少女が見せたディスプレーには、コンピューター・グラフィクスの美しい絵
が、スムースな動きをくりかえしていた。二匹のラビットが、蝶ちようを追っている童話のアニメーションで、その絵の下には、数行の文字が表示されていた。
「……流行はやっているのかね? その話……」
「これは、古典でしょ。そういうの知らないんです。好きなものなら、なんでもいいんです」
「フーン」
ケネスが感心する間もなく、少女は、次の画面に切りかえて見せた。
「ホラ、可愛いでしょ?」
その画面は、かなりポップな動きをしていた。フレームの周囲をグルグル飛び跳ねるラビットと狐きつねの絵だ。中央では、花びらが作る檻おりに閉じこめられているラビットが、涙をはねとばして泣いていた。
その彼の照れが、表情に出たのだろう。少女は笑ったようにしたが、すぐに普通の顔にもどって、ケネスの目に見入った。
初対面の少女に、このようにはっきりと目の中を見つめられるというのは、ケネスには、初体験のように思えた。なにより、少女の瞬間、瞬間のバラエティあふれる表情に、ケネスは胸をつかれた。
「いいかな? そこに座って……」
この3スリーシートの列が、彼女だけだということは、キャビンのすべての乗客が知っていることだった。
「困ります。長い時間は」
少女は、はっきりといった。
「……? 短ければ、いいというのか」
「ええ、数分というところでしょうね」
そういわれる感覚は、決して不愉快ではない。
「そうさせてもらうよ。わたしは、連邦軍のケネス・スレッグだ」
自己紹介をしながら、ケネスは、身体をシートの上に流してすわった。
「大佐さんぐらいでいらっしゃいます?」
少女は膝においたディスプレーを消すつもりもなく、ケネスの動きを透明なブルーの瞳ひとみで追った。
「なにを読んでいるんです」
「絵本です。ホラ」
少女が見せたディスプレーには、コンピューター・グラフィクスの美しい絵
が、スムースな動きをくりかえしていた。二匹のラビットが、蝶ちようを追っている童話のアニメーションで、その絵の下には、数行の文字が表示されていた。
「……流行はやっているのかね? その話……」
「これは、古典でしょ。そういうの知らないんです。好きなものなら、なんでもいいんです」
「フーン」
ケネスが感心する間もなく、少女は、次の画面に切りかえて見せた。
「ホラ、可愛いでしょ?」
その画面は、かなりポップな動きをしていた。フレームの周囲をグルグル飛び跳ねるラビットと狐きつねの絵だ。中央では、花びらが作る檻おりに閉じこめられているラビットが、涙をはねとばして泣いていた。