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徳政じゃ(3)

2023-09-16 来源:百合文库
と、いかにも、もっともらしくいいました。
さあ、これをきいた客はおどろきました。
たがいに目をみあわせ、とほうにくれ、中には泣き出すものもいて、たいへんなさわぎです。
だけれど、「かえしてほしい!」と、どんなにたのんでも、亭主(ていしゅ)は、
「なにぶん、このおふれは、わたくしかってのものではござりませぬ。天下のおふれ、上さまからのご命令。かりたものはみな、わたくしのものでございます」
と、いっこうに聞きいれません。
こうなっては、客たちも大事なものを亭主(ていしゅ)に貸したことをなげくばかり。

徳政じゃ


ところが客の中に、頭のはたらく男かおりまして。
つかつかと亭主(ていしゅ)の前にすすみ出ると、こういいました。
「なるほど、上さまのおふれとあれば、そむくことはなりますまい。そちらヘおかしもうしたものは、どうぞ、おうけとりくださるように」
この言葉に、ほかの客たちがあきれていると、男は続けて、
「こうしたおふれが出まして、あなたさまには、まことにお気のどくでござります。だが、それもいたしかたのないこと。わたくしどもは、こうして、あなたさまのお宿をおかりしましたが、おもいもかけず、このたびの徳政。いまさらこの家をおかえしすることもできぬことになりました。どうぞ、妻子(さいし→おくさんと子ども)、めし使い一同をおつれになって、いますぐこの家からおたちのきくださるよう」

徳政じゃ


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