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徳政じゃ

2023-09-16 来源:百合文库

徳政じゃ


むかしむかし、京の町に、大きな宿(やど)屋がありました。
いつも、旅の人がおおぜいとまって、とてもにぎやかでした。
ところで、この宿屋の亭主(ていしゅ)、いったいどこで耳に入れたのか、近いうちに徳政令(とくせいれい→借金を帳消しにするおふれ)のあることがわかったもので、心の中でニヤリと笑いました。
(こいつで、タンマリと、もうけてやろう)
亭主(ていしゅ)は、ひと部屋ひと部屋まわり歩いて、とまり客の持ちものを見せてもらいました。
「ほう、このわきざし(→刀)は、けっこうなお品で。じっくりと拝見(はいけん)いたしとうございますが、しばらくおかしくださるまいか」

徳政じゃ


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