Re:0 番外篇(2021.4.1更新) 生肉搬运(下)
「へー、祭りか。いいじゃねーか、一緒にいこーぜ」
俺の隣で、ポチポチとケータイの画面とにらめっこしているエミリアを余所に、彼女に番号を教えたフェルトが威勢のいい笑みでそう言った。
校門で話し合った通り、祭りのメンバーを増やす方向で調整する目論見だ。
なので、珍しく教室に早くきていたフェルトを捕まえて、さっそく祭りの話と、エミリアとの番号交換を持ち掛けたところだった。
「ノリがいいな。正直、意外だったわ」
「ああ? 意外? なんでだよ。アタシが誘いを断るノリの悪い奴だって話か?」
「じゃなくて、面子の話だよ。だって俺、ラインハルトのことも誘うぜ? お前、それは表面上は嫌がるだろ?」
「表面上ってなんだ! ちゃんと中身も嫌がってんだよ!」
椅子の背もたれを軋ませながら、フェルトが上履きの靴裏で俺を蹴ろうとしてくる。それをひょいひょいとよけるが、スカートで躊躇いのないやっちゃな。
まぁ、フェルトはラインハルトから逃げるためなら、ひらりと靴箱の上に飛び乗ることも厭わない女子なので、このぐらいの乱雑さはいつものことだが。