《百华集》——伏见×冬贵篇 (节选)(4)
「これが、おまえの名前だ」
“这是你的名字。”
「ふうん」
“嗯。”
「まずは書いてみよう。鉛筆はこうやって持つんだ」
“你先试着写写看。铅笔要这样拿。”
伏見はそう言って、傍らから手を出してとりあえずは鉛筆を持たせようとする。不器用そうに冬貴が苦闘するのを見ながら、彼の小さな手の上から自分のそれを重ねる。
伏见说着,从一旁伸出手,想先让冬贵拿住铅笔,但看着他笨手笨脚怎么也不得要领的样子,伏见便用自己的手叠握在他的小手上。
冷たい。
好冷。
冬貴の指は、手は、まるで雪でできた作りもののように冷え切っていた。
不只是手指,冬贵的整只手,都仿佛雪一样得冰冷。
「自分でできるか?」
“你自己可以做到吗?”
「ん」
“嗯。”
頷いた冬貴は鉛筆を握る。その手つきは堂々としていて、今日初めて持ったようには思えなかった。
冬贵点点头,握住铅笔。手的姿势有模有样,完全不像是今天才第一次拿笔。
しかし、実際に書いてみたぐちゃぐちゃとした線は、字というよりみみずがのたくっているようなものだ。
然而,实际上写出来的却是歪歪扭扭的线条;与其说是字,不如说是春蚓秋蛇一般的痕迹。
「ここに書き方が書いてある。毎日練習してみてくれ」
“这本书里有教你写字的方法,你每天练习一下试试看。”
「これは、何のためにある?」
“写字,是为了什么?”
「記録のためだ」
“为了记录。”
「…記録」
“…记录”
冬貴は無感動に繰り返し、教科書に書かれた文字を眺める。
冬贵看着教科书上的文字,机械地重复着伏见的话。