第25话 插曲:噩梦和膝枕(15)
最終下校時刻まではまだ少しだけ時間がある。
それまでは新浜君を寝かせてあげたかったからだ。
「とっても良い文化祭でしたね新浜君」
役割が終わったタコ焼き喫茶のセットに囲まれ、私は呟いた。
そう、この文化祭は楽しかった。
そしてその楽しさを私やクラスの皆にくれたのは、今目の前で寝息を立てる男の子だった。
後夜祭でみんなが彼に心からの感謝を告げた時、私はとても嬉しかった。
新浜君の頑張りをみんなが認めて、みんなの気持ちが新浜君の心を温めている様に私の心も喜びで満たされた。
(けれどその……誰にも言ってないですけど、少しだけもやもやする時がありました)
例えば風見原さんと筆橋さん。
二人とも文化祭を通じて新浜君と話すようになったのだけど、彼女らが新浜君に笑顔を向けていると心がざわめく。
正直、自分でもわけがわからない。
新浜君が皆の信頼を得るのはとても嬉しいのに、どうして女子が彼に接近しすぎると落ち着かなくなるのだろう?
「むぅ……特に風見原さんですね……」
この文化祭で実行委員とそのアドバイザーという立場の二人はかなりの時間一緒にいた。風見原さんはマイペースなので感情が読みづらいけど、新浜君に対しては一貫して好意的でその手腕を何度も褒めていた。
あれだけ頼りになる人なのだから当然ではあるのだけど……。
それまでは新浜君を寝かせてあげたかったからだ。
「とっても良い文化祭でしたね新浜君」
役割が終わったタコ焼き喫茶のセットに囲まれ、私は呟いた。
そう、この文化祭は楽しかった。
そしてその楽しさを私やクラスの皆にくれたのは、今目の前で寝息を立てる男の子だった。
後夜祭でみんなが彼に心からの感謝を告げた時、私はとても嬉しかった。
新浜君の頑張りをみんなが認めて、みんなの気持ちが新浜君の心を温めている様に私の心も喜びで満たされた。
(けれどその……誰にも言ってないですけど、少しだけもやもやする時がありました)
例えば風見原さんと筆橋さん。
二人とも文化祭を通じて新浜君と話すようになったのだけど、彼女らが新浜君に笑顔を向けていると心がざわめく。
正直、自分でもわけがわからない。
新浜君が皆の信頼を得るのはとても嬉しいのに、どうして女子が彼に接近しすぎると落ち着かなくなるのだろう?
「むぅ……特に風見原さんですね……」
この文化祭で実行委員とそのアドバイザーという立場の二人はかなりの時間一緒にいた。風見原さんはマイペースなので感情が読みづらいけど、新浜君に対しては一貫して好意的でその手腕を何度も褒めていた。
あれだけ頼りになる人なのだから当然ではあるのだけど……。