第25话 插曲:噩梦和膝枕(21)
以前の内気だった新浜君と、ハキハキと喋って力強くなった新浜君。
どっちが本当ということじゃなくて、きっと両方が新浜君なのだ。
(あんなに何でもできる新浜君が何をそんなに不安がっているのか……それはわかりません。けれど――)
「――はい、ここにいます」
さっきそうしたように、私は新浜君の不安を消したくて彼の頬に触れた。
「新浜君の側に、私はいます。だから――」
今日はとても頑張ったのだから。
あなたが欲しいものはきっとどこにもいかないから。
「安心して、もう少しだけ眠ってください」
「ああ、そうか――よかっ……た……」
私がそう告げると、新浜君はすぅすぅと寝息を立て始めて再び眠りに落ちていった。
「本当にお疲れ様です新浜君。今は少しの間だけ、健やかな気持ちで休んでください」
ふと窓の外を見れば日が落ちて、辺りは薄暗くなっていた。
もう学校にいられる時間はあと僅かだけど、それまではずっとこうしていたい。
お昼の喧噪が嘘のように音が消え去った校舎で、私は新浜君の頭を膝に乗せたまま、頑張った男の子の寝顔をずっと飽きずに眺めていた。
どっちが本当ということじゃなくて、きっと両方が新浜君なのだ。
(あんなに何でもできる新浜君が何をそんなに不安がっているのか……それはわかりません。けれど――)
「――はい、ここにいます」
さっきそうしたように、私は新浜君の不安を消したくて彼の頬に触れた。
「新浜君の側に、私はいます。だから――」
今日はとても頑張ったのだから。
あなたが欲しいものはきっとどこにもいかないから。
「安心して、もう少しだけ眠ってください」
「ああ、そうか――よかっ……た……」
私がそう告げると、新浜君はすぅすぅと寝息を立て始めて再び眠りに落ちていった。
「本当にお疲れ様です新浜君。今は少しの間だけ、健やかな気持ちで休んでください」
ふと窓の外を見れば日が落ちて、辺りは薄暗くなっていた。
もう学校にいられる時間はあと僅かだけど、それまではずっとこうしていたい。
お昼の喧噪が嘘のように音が消え去った校舎で、私は新浜君の頭を膝に乗せたまま、頑張った男の子の寝顔をずっと飽きずに眺めていた。