【极北的彼方】故事线前外传「雨を乞う星夜」(机翻 附作者原文)(23)
「……本当は写真、好きなんじゃない?」
「そんなことはない……と思うんだけどなぁ」
アレックスは更に僧帽筋の辺りを揉んでくれる。自分が思っていたよりも筋肉が凝っていたようで、更に良い気持ちだ。
「そういえば、まだ夏の大三角って見えるのかな」
「まだ見えると思う。東の空には冬の星座も登場していると思うけどね」
「そっか……。俺も、船の上から見てみるよ」
そこでダイニングの中は静まり、僕とアレックスの呼吸音だけになった。車の中でコーヒーを飲んだはずなのに、この満たされた時間によって少しずつ眠気が襲ってくる。
「ウォルター」
ウトウトし始めた僕に、アレックスが改めて話し掛ける。
「…………今回は一緒に行けないけど、いつか一緒に旅をしよう」
「……うん」
後ろから静かに呟くアレックスに対して、僕は頷くことしかできなかった。少しずつ言葉の意味を認識できなくなり、聞き慣れた彼の声がどんどん遠くなってゆく。
「……二人で車に乗ってさ、どこか遠く離れた場所を目指すんだ。それで……走り続けて夜になったら、焚き火を囲もう。美味しい夕食を作って、ギターを弾いて……。旅が終わる
頃には、たくさんの素敵な写真が撮れてるはずさ」
……そうして着いた目的地はきっと、希望に満ち溢れてる――――
「!」
瞼を開けると、僕は先程と変わらずダイニングに居た。椅子に預けた体には、無地のブランケットが掛かっており、テーブルの上のスマートフォンは一定の周期で振動していた。
「……はい、もしもし」
画面に表示されていた番号は見慣れないものだったが、手を伸ばして応答した。
「ブラウンさんですか?」
その声は、近所にある小学校の校長だった。
「……あっ!?」
天体観測をすっぽかしてしまったと思い咄嗟に置き時計を見ると、まだ家を出る時間にはなっていなかった。
「えっと……どうかされましたか? ブラウンさん」
「い、いえ……何でもありません」
「そうですか。今夜のワークショップですが、無事に開催となりました。問題はありませんか?」
「あぁ……はい。大丈夫です。もうすぐ家を出ます」
「分かりました。それでは、学校でお待ちしております」
「そんなことはない……と思うんだけどなぁ」
アレックスは更に僧帽筋の辺りを揉んでくれる。自分が思っていたよりも筋肉が凝っていたようで、更に良い気持ちだ。
「そういえば、まだ夏の大三角って見えるのかな」
「まだ見えると思う。東の空には冬の星座も登場していると思うけどね」
「そっか……。俺も、船の上から見てみるよ」
そこでダイニングの中は静まり、僕とアレックスの呼吸音だけになった。車の中でコーヒーを飲んだはずなのに、この満たされた時間によって少しずつ眠気が襲ってくる。
「ウォルター」
ウトウトし始めた僕に、アレックスが改めて話し掛ける。
「…………今回は一緒に行けないけど、いつか一緒に旅をしよう」
「……うん」
後ろから静かに呟くアレックスに対して、僕は頷くことしかできなかった。少しずつ言葉の意味を認識できなくなり、聞き慣れた彼の声がどんどん遠くなってゆく。
「……二人で車に乗ってさ、どこか遠く離れた場所を目指すんだ。それで……走り続けて夜になったら、焚き火を囲もう。美味しい夕食を作って、ギターを弾いて……。旅が終わる
頃には、たくさんの素敵な写真が撮れてるはずさ」
……そうして着いた目的地はきっと、希望に満ち溢れてる――――
「!」
瞼を開けると、僕は先程と変わらずダイニングに居た。椅子に預けた体には、無地のブランケットが掛かっており、テーブルの上のスマートフォンは一定の周期で振動していた。
「……はい、もしもし」
画面に表示されていた番号は見慣れないものだったが、手を伸ばして応答した。
「ブラウンさんですか?」
その声は、近所にある小学校の校長だった。
「……あっ!?」
天体観測をすっぽかしてしまったと思い咄嗟に置き時計を見ると、まだ家を出る時間にはなっていなかった。
「えっと……どうかされましたか? ブラウンさん」
「い、いえ……何でもありません」
「そうですか。今夜のワークショップですが、無事に開催となりました。問題はありませんか?」
「あぁ……はい。大丈夫です。もうすぐ家を出ます」
「分かりました。それでは、学校でお待ちしております」