お姫さまとドラゴン(2)
2023-12-01 来源:百合文库
そこで王さまは遠くの国で用事をすませると、お姫さまたちへのおみやげを買う事にしました。
金の着物と銀のがいとうは、すぐに買う事が出来ました。
ところがバラの花だけは、売っている店がどこにもないのです。
「困ったな。バラの花がないと、あのやさしい姫がガッカリするだろうなあ」
でも、ないものは仕方がありません。
王さまはあきらめて、帰る事にしました。
帰る途中、森の中を通っていると広い広い庭がありました。
その庭にはバラのしげみがあって、美しいバラの花がたくさん咲いていたのです。
「ああ、よかった。姫へのおみやげが見つかったぞ」
王さまは大喜びで、バラの花を取るために馬からおりました。
そして王さまが一番美しいバラの花を見つけて取ったとたん、目の前に恐ろしいドラゴンが現れたのです。
「おい! 誰に許してもらって、そのバラの花を折ったのだ!」
ドラゴンは、おそろしい顔で王さまをにらみつけます。
「わっ、わたしは、旅から帰るところですが、三人の娘におみやげを買ってやると約束をしてきました。
上の二人の娘にやる金の着物と銀のがいとうは町で買う事が出来ましたが、一番下の娘に約束したバラの花だけは、手に入れる事が出来ませんでした。
それでつい、この美しいバラの花を、いただこうとしたのです」
王さまが説明すると、ドラゴンは言いました。
「金の着物や銀のがいとうではなく、バラの花が欲しいとは、一番下の娘は心のやさしい娘だな。
金の着物と銀のがいとうは、すぐに買う事が出来ました。
ところがバラの花だけは、売っている店がどこにもないのです。
「困ったな。バラの花がないと、あのやさしい姫がガッカリするだろうなあ」
でも、ないものは仕方がありません。
王さまはあきらめて、帰る事にしました。
帰る途中、森の中を通っていると広い広い庭がありました。
その庭にはバラのしげみがあって、美しいバラの花がたくさん咲いていたのです。
「ああ、よかった。姫へのおみやげが見つかったぞ」
王さまは大喜びで、バラの花を取るために馬からおりました。
そして王さまが一番美しいバラの花を見つけて取ったとたん、目の前に恐ろしいドラゴンが現れたのです。
「おい! 誰に許してもらって、そのバラの花を折ったのだ!」
ドラゴンは、おそろしい顔で王さまをにらみつけます。
「わっ、わたしは、旅から帰るところですが、三人の娘におみやげを買ってやると約束をしてきました。
上の二人の娘にやる金の着物と銀のがいとうは町で買う事が出来ましたが、一番下の娘に約束したバラの花だけは、手に入れる事が出来ませんでした。
それでつい、この美しいバラの花を、いただこうとしたのです」
王さまが説明すると、ドラゴンは言いました。
「金の着物や銀のがいとうではなく、バラの花が欲しいとは、一番下の娘は心のやさしい娘だな。