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《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】(10)

「ああ、もう少し待って。今日はキミに迎えが来るらしいからね」
すると所長は、意外にも俺に待ったをかけた。
迎えとはなんのことだろうか。俺が今お世話になっている児童養護施設の代表のおばさんは、俺がこういう体質であるということを吾ってからというもの、どんなトラブルを犯したところで良くも悪くも無関心を貫くようになった。 よってわざわざ交番に迎えに来るなどあり得ないはずなのだが……。
「そんな話をしてる内に、ほら」
と、所長の視線が明らかに俺の背後に向いた。
「彼が身元引受人だよ」
キミにも親戚がいたんだねえと、そう言われて俺は思わす振り向いた。
そこに立っていたのは、シルクハットを目深に被ったスーツ姿の壮年の男性。 一見きちんとした姿に思えたもののよく見ると、スーツやシャツにはよれがあり、履きつぶした革靴には泥がついている。 そしてハットの下からは獣のように鋭い瞳か覗いていた。

《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】


「あんた、名前は?」
俺が訊くと、男はやがてその相好を崩し、 狼のように大きな口を広げてこう名乗った。
「——ダニー。 ダニー・ブライアント」
それが俺と《師匠》 の出会いだった。
それから俺はダニーと名乗るその男に連れられて、古びた築四十年のアパートにやって来た。 玄関を開けると、 一枚扉を挟んで八畳ほどの和室が広がる 畳の匂いに馴染みはないはずだが、日本人だからか、やけに懐かしく感じられた。
「なにをばーっと突っ立っている?」
後ろからそう声を掛けてきた男はすれ違いざま 「今日からここがお前の家だ」と言って、卓袱台の前にどかっと座った。
そして早速、ぶしゆという音を立てて缶ビールを開ける。 交番からここへ向かう途中、コンビニで買ってきたものだった。

《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】


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