《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】(8)

かってミゾェフ連邦の政策と当時の《調律者》の助力により《第三次世界大戦》は実質的な被害を出さず、《虚空歴録》の流出も未然に防がれた。
これからも世界は恒久的な平和が保たれていく。
《特异点》
調律された世界を維持していく以上、一刻も早い＊＊が望まれる。
【7 years ago Kimihiko】「じゃあつまり、キミは今回も無罪だと?」
その日俺は、 行きつけの交番で白髪交じりの警察官が苦笑いを浮かべながら調書をまとめる様子を、 我ながら疲れ果てた顔で眺めていた。
「言ったでしよう。僕はやってないって」
一体どこの小学五年生が、道行く女性の鞄をひったくるというんだ。
「うーん、キミならやりかねないでしよ」
「僕を過大評価しすぎです」

いや、 この場合は過小評価と言うべきだろうか 僕……俺は実家のような安心感すら覚えてしまうこの交番で、大きくため息をつく。
行きつけの交番なんてものが存在するのかと言えば、 俺に関しては間違いなくイエスだ。事実、 この一週間だけでこの警察官(交番所長らしい) に会うのはもう一二度目。小学校に登校した回数よりも多かった。
なに？小学生のくせに学校をサボりすぎだって? 仕方ないだろ たとえば登校中、杖をついたお婆さんが横断歩道を渡るのを助けたところ、 そのお婆さんが振り込め詐欺の被害に遭っていることが分かって、 あれよあれよと言う間に巨大な詐欺グループとのいざこざに巻き込まれたりするんだ。 それが、俺が生まれながらにして持っ 《巻き込まれ体質》という性質。のほほんと、学校に通っている暇なんてありはしない。