《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】(11)
「いきなりここで暮らせと言われてもな……」
俺は戸惑いつつ辺りを見渡す。 壁には海外の土産物と思しき謎のオブジェが飾られ、他にも骨董品や美術品か部屋のあちこちに並んでいる。
旅行が趣味なのかガラクタの蒐集癖があるのか これからこの部屋で、この正体不明のおっさんと二人で暮らしていくことを考えると頭が痛くなってくる。
「はは、そう難しく考えるなの。小学生」
すると男は、俺をそんな肩書きというか括りで呼ぶ。
「帰る場所だとか、居場所だとか。そう硬く考えるな。小学生なら、そうだな、便利な秘密基地が一つできたぐらいに思っておけ」
おれもそうだ、とダニーは言う。どうやらこの家は彼にとっても、活動拠点の一つということらしい 部屋に置かれた土産物の数々を見るに、やはり普段はあちこち旅をしているのだろう。
「じゃあ、あんたはいつもこの家にいるわけではないと?」
俺は男から少し離れた場所に座布団を引き寄せ、そこに腰を下ろした。
「そういうわけだ。 だから、おれに生活の面倒を見てもらえると期待はするなよ?」
「……親戚を名乗っておいてそれか?」
あの堅苦しい集団生活を強いられる施設暮らしと、どちらがマシだろうか。
「仕方ないな。家賃と光熱費、それから水道代はおれが払おう。大人だからな」
「その言い方が大人げないな……ちなみに生活費は?」
「それは自分で稼いでもらう。なに、どこかへ働きに出ろとは言わない これからおれが持ってくる仕事をお前には手伝ってもらう」
それが対価だ、とダニーは缶ビールを呷りながら言う。
「……まだ小学生だぞ、俺」
俺は戸惑いつつ辺りを見渡す。 壁には海外の土産物と思しき謎のオブジェが飾られ、他にも骨董品や美術品か部屋のあちこちに並んでいる。
旅行が趣味なのかガラクタの蒐集癖があるのか これからこの部屋で、この正体不明のおっさんと二人で暮らしていくことを考えると頭が痛くなってくる。
「はは、そう難しく考えるなの。小学生」
すると男は、俺をそんな肩書きというか括りで呼ぶ。
「帰る場所だとか、居場所だとか。そう硬く考えるな。小学生なら、そうだな、便利な秘密基地が一つできたぐらいに思っておけ」
おれもそうだ、とダニーは言う。どうやらこの家は彼にとっても、活動拠点の一つということらしい 部屋に置かれた土産物の数々を見るに、やはり普段はあちこち旅をしているのだろう。
「じゃあ、あんたはいつもこの家にいるわけではないと?」
俺は男から少し離れた場所に座布団を引き寄せ、そこに腰を下ろした。
「そういうわけだ。 だから、おれに生活の面倒を見てもらえると期待はするなよ?」
「……親戚を名乗っておいてそれか?」
あの堅苦しい集団生活を強いられる施設暮らしと、どちらがマシだろうか。
「仕方ないな。家賃と光熱費、それから水道代はおれが払おう。大人だからな」
「その言い方が大人げないな……ちなみに生活費は?」
「それは自分で稼いでもらう。なに、どこかへ働きに出ろとは言わない これからおれが持ってくる仕事をお前には手伝ってもらう」
それが対価だ、とダニーは缶ビールを呷りながら言う。
「……まだ小学生だぞ、俺」