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《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】(9)

そして今日も今日とて俺は登校途中に巻き込まれたひったくり事件の犯人と疑われ、顔なじみの所長と、この交番で不毛な攻防を繰り広げていたというわけだった。
「昨日も今日も明日も僕は無罪。 いや、無実です」
無罪というと、少しニュアンスが違ってくる 実は犯罪行為を為したものの、証拠不十分や心神喪失などを理由に罪に間えない場合にも無罪という言葉を使うらしい。しかし俺は正真正銘、ひったくりも振り込め詐欺もやっていない そういう意味で俺は、無罪ではなく無実なわけだ。 前に暇な国語の授業中、辞書でそんなことを確認した記憶がある。
「その歳で随分と物知りだねえ」
所長は間延びした口調で相槌を打ちながらも、俺の顔をじっと見つめると。
「ボクも定年間近でね 最後の数年をゆっくり交番勤務で過ごせると思っていたんだけど、キミのおかげでキャリア一忙しくなったよ」

《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】


代わりに退屈もしなかったけど、と言ってニッと笑う。
もうじき定年ということは、いずれ別の人間がこの交番に来るのだろうか。俺のこの厄緩い後任が介な体質が変えられない以上、今後もここに世話になることは確定している来てくれることを祈るばかりだ。
「そろそろ帰ってもいいですか? 無実だということは分かってもらえたはすなので」
現場から少し離れた場所の監視カメラに、逃走するひったくり犯らしき男が映っていたらしく、背格好がまるで違う俺は容疑者から外れたらしい。 まだまだ子どもで助かった。まあ、 いすれはもっと背は伸びてほしいが。
「それに、うちは門限があるので」
俺はそう言ってパイプ椅子から立ち上がった。
とは言え、 門限に厳しい父や母が家で待っているわけではない。俺を待っているのは、施設のルール 物心ついた時から家族のいなかったはぐれ者の俺にとっては、生きる権利を保障してくれるその環境があるだけでありがたかった。

《侦探已死6》-【7 years ago Kimihiko】


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