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蝶は聖夜に羽ばたく(四)(15)

躊躇ためらいで一瞬足の止まった僕に気がついて、好美さんが振り向いたので、慌ててその後ろを追う。
チャンスを慎重に待たなきゃ。きっと……今じゃない。
好美さんの車に戻ると、彼女は何も言わずに暖房を強くした。
外で待っていた千葉さんの身体を案じたんだろう。
「そこにフリースもあるから、必要なら使って」

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


後部座席の千葉さんにそう告げる。そっけないフリをしているけれど、好美さん自身は本当はきっと優しい人なのだと思った。
僕が櫻子さんに出会って、目指す進路すら変わったように、やっぱり好美さんも清美さんに影響されて、人生が変わった人なのだろうか。
でもそれは、自分の選択でもあるはずだ。

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


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