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EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」(9)

2023-08-20 来源:百合文库
「よ!一人か?なら一杯奢るぜ。今日は俺の誕生日なんだ、祝ってくれ。」
普段なら、見知らずの男と会話する気はもうとうない。だが、その男の『誕生日』と言う話を聞いて、僕は少し話す気になった。
「僕もだ」
「おお、そうか、そいつはおめでたい。お互い一人ぼっちの誕生日のわけだ。」
「よし。徹底的飲もう。」
男と飲むうちに、こいつは意外に気が合うやつかもしれないと思った。大手の企業に勤めていて、出世することが大事だと言う、その為には何だったやってやる。彼はそう言った。境遇と考えの似た同士ということで、僕たちは盛り上がった。そのうち彼がもっといい店で飲み直そうと言って、ここを出ることにした。彼の言い方にマスターが嫌な顔をしたが、まあ、酒の席だし、気にしないことにした。勘定は彼が払った。どうせ会社の金だからと言って笑っていた。店を出ると、彼が自分の馴染の店に行こうと言い出した。人の馴染ということは自分の馴染ではないから、羽は外せないなど、頭の片隅(かたすみ)で思ったがたまには人に従うのもいいだろう

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」


08 面白い話
繁華街(はんかがい)のややこぎれいなビルの上の階にその店があった。どこにでもあるのようなクラブだ。僕がいつも接待で利用している店とさほど変わらない。それほど下世話(げせわ)な店じゃないし、高級感もある。店に入ると、女の子たちが出迎えてくれた。席に着くとウィスキーのボトルが出てきた。僕たちはすでに相当量のアルコールが入っていたが、勢いでまた飲み始め、女の子たちと騒いだ。一頻り(ひとしきり)飲んでいると、僕はだんだんと自分が不愉快な気分になっていることに気づいた。店の女の子は皆彼の周りに集まってはしゃいでいる。僕の隣にも一人いるけど、無口なのか、乗り気がしないのか、あまり口を開かない。僕が自分が一人ぼっちのような気がしてきて、無性に腹が立った。何だ、楽しんでいるのはあいつだけじゃないか。やっぱり人の馴染の店にいたって、面白くもなんともない。
それに、もっとこちに気をつかてもいいんじゃないか。自分だけ楽しいけりゃいいなんて、本当に飽きれたやつだ。こんな奴と少しでも気が合うなんて考えた僕の馬鹿だった。

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」


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