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EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」(14)

2023-08-20 来源:百合文库
11 epilogue
玄関を飛び出した僕は、ふっとポストーから覗く一通の白い封筒に気づいた。彼女からの手紙かと思ったら、表書きに『請求書』と書いてある。差出人は『不思議工房』となっていた。封を開けると、そこには次のような文言(もんごん)が記(しる)されていた

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」


『あなたの幸せをお届けします、あなたは人の役に立って生きなさい。それを代償として、生涯払い続けられるようご請求申し上げます。 
--ふしぎ工房』
外はもうすっかり夜が明けていた。すがすがしい青空が目の前に広がっている。僕はその封筒を胸ポケットに大事にしまうと、世界に向けて、新たな第一歩を踏み出した。それから僕は、何度か彼女を誘ってふしぎ工房を探してみたが、二度とあの看板を見つけることはできなかった。


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