百合文库
首页 > 网文

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」(6)

2023-08-20 来源:百合文库
「何だ、お前にそんなことを言う筋合いはない。落ちこぼれたのお前なんかに。」
彼はやれやれといった顔をして、こちらが聞き持ちもない、自分達の話を始めた。
「僕たちは不思議工房で出会い、幸せになった。今は何もかも充実にしている、お前も頑張れよ。」
そう言い残して、僕を背を向けした。屈辱だった。悔しさに血管が切れそうな思いだったが、一方で、彼が言った不思議工房という言葉が気になっていた。結婚相談所かお見合いサークルかなにかが。それにしても、よくあの女性恐怖症が治ったもんだ。ふ、
「幸せになってよかったなあ。」
捨て台詞のような独り言を吐き、僕もその場を離れた。夜の祝賀会がなくなってしまったが、かっといて、彼女に頭を下げるのが御免だ。どいつもこいつも胸くそが悪い。まだこんな時間か。くそ!パチンコでもして、憂さを晴らすか。店内は略満席だった。タバコの煙で、視界が霞む。何とか開いている台を見つけて、打ち始めたが。まったく球が入られない。パチスロをやって見たが、数字なんか揃いやしない。向きになってやていたが、ふと、吾身の情けなさに嫌気が差した。どうして僕は朝からだいにしがみついているような連中と一緒になってパチンコなんかやってなければならないんだ?くだらないたらありゃしない。

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」


「面白くない!」
店を出ると、ようやく夕暮れに指しかかったところだった。持て余したことがないから、こういう時、何をしていいかよく分からない。酒でも飲んで帰るか。吐き捨てるように言って、目の前の赤提灯暖簾(のれん)をくぐった。
「いらっしゃい!」
店の主人の勢いが癇に障る。時間が早いのせいか、店内には他の客の姿がない。適当なテーブル席を選んで、どっかと腰を下ろしビールを頼んだ。 酒はずんぶん鍛えた、少々だったら正気を失うことはない。しかし、この日はそれがかえって徒になった。いくら飲んでも酔えないのである。
「くそ!」
赤提灯(あかちょうちん)をでたが今度は行く先に困った。馴染(なじみ)の店にいくてもあるが、会社の経費ならいざ知らず、自分の金を使うのはばかばかしい。それでなくても、今の自分の姿を顔を見知りの前にさらすなんで、まっぴらだ。当てもなく歩いていた。歩いてみたところで、なにもない。ただ、いつもの町の風景があるだけだ。

EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」


猜你喜欢