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こぶ取りじいさん(2)

2023-08-01日语睡前故事20210313 来源:百合文库
真夜中になりました。
 するとどこからか、賑やかなおはやしの音が聞こえて来るではありませんか。
「おや、どこからじゃろ?」
 目を覚ましたおじいさんは、その音のする方へ行ってびっくり。
「うひゃーーー! 鬼だーー!」
 何と、この森の奥に住む鬼たちが、輪になって歌い踊っていたのです。
♪ピーヒャラ、ドンドン。
♪ピーヒャラ、ドンドン。
 赤い鬼、青い鬼、黒い鬼、大きい鬼、小さい鬼。
 どの鬼たちも、飲んで踊って歌っての大騒ぎです。
 最初は怖がっていたおじいさんも、そのうちに怖さを忘れて踊り出してしまいました。
 するとそれに、鬼たちが気づきました。
「これは、うまい踊りじゃ」
「おおっ、人間にしてはたいしたものじゃ」
 おじいさんの踊りがあまりにも上手なので、鬼たちもおじいさんと一緒になって踊り始めました。
♪ピーヒャラ、ドンドン。
♪ピーヒャラ、ドンドン。

こぶ取りじいさん


 のんきなおじいさんと陽気な鬼たちは、時が経つのも忘れて踊り続けました。
そのうちに、東の空が明るくなってきました。
 もう、夜明けです。
「コケコッコーー!」
「ややっ、一番鳥が鳴いたぞ」
 朝になると、鬼たちは自分たちの住みかに帰らなくてはなりません。
「おい、じいさんよ。
 今夜も、踊りに来いよ。
 それまでこのこぶを、預かっておくからな。
 今夜来たら、返してやろう。
 ・・・えい!」
 そう言って鬼の親分は、おじいさんのこぶをもぎ取ってしまいました。
 こぶを取られたおじいさんは、思わずほっペたをなでました。
「おおっ、こぶがない」
 傷も痛みもなく、おじいさんのこぶはきれいに無くなっていたのです。
こぶがなくなったおじいさんが村へ帰ると、もう一人のこぶのおじいさんがびっくりして言いました。
「おい! こぶはどうした?! どうやって、こぶを取ったんだ!?」

こぶ取りじいさん


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