re:从零开始的异世界生活 web版第六章(3)
2023-06-27 来源:百合文库
「……ったく、とんでもねぇ」
大したものだ、と声には出さないが称賛する。
その心根の強さは、はっきり言って脱帽ものだ。自分の存在だけを取り残され、周りから自分の記憶だけが失われる感覚――スバルも、覚えがないわけではない。
『死に戻り』で時をさかのぼるナツキ・スバルには、この世界の誰も覚えていない世界の記憶が確かにある。
一度、関係を築いた人間に忘れられる経験といえば、スバルの中なら最初のロズワール邸――あの日々の繰り返しが、それに該当するだろうか。
異世界に召還され、王都でエミリアを助けるために奔走し、その結果としてロズワール邸に招かれ――四度の繰り返しを経て、スバルは五度目の世界を踏破した。
それまでの四つの世界の思い出は、もはやスバルの中にしか残っていない。
そんな日々の中、関係を築いた屋敷の人々に、見知らぬ人間扱いされた衝撃は今なお忘れ難い。
あの苦しみと悲しみは、決して薄れない。
「……なんなのかしら? スバル、なんで急にベティーの頭を撫で始めているのよ?」
「気にすんな。あんとき、お前のおかげでずいぶん救われてたよなーって感慨深いだけだ。感謝感謝」
「わけわかんないかしら。それに髪が乱れるからやめ……なくてもいいけど、もうちょっと気を遣って撫でるのよ」
お尻半個分だけ席を詰めて、ベアトリスが頭を預けてくる。仰せの通りに、とスバルはその頭を撫でてやり、事実として救われたときの心境を再確認させられた。
屋敷の繰り返しの日々、スバルへの態度が変わらなかったのはベアトリスだけだ。『死に戻り』の起点より前に出会い、その後も彼女だけは接し方が変わらなかった。
それに救われたことは、ずっと彼女にも秘密だろう。
「そのあとは、エミリアたんに救われたんだけどな」
「――?」
スバルの述懐に、エミリアが不思議そうな顔をする。
大したものだ、と声には出さないが称賛する。
その心根の強さは、はっきり言って脱帽ものだ。自分の存在だけを取り残され、周りから自分の記憶だけが失われる感覚――スバルも、覚えがないわけではない。
『死に戻り』で時をさかのぼるナツキ・スバルには、この世界の誰も覚えていない世界の記憶が確かにある。
一度、関係を築いた人間に忘れられる経験といえば、スバルの中なら最初のロズワール邸――あの日々の繰り返しが、それに該当するだろうか。
異世界に召還され、王都でエミリアを助けるために奔走し、その結果としてロズワール邸に招かれ――四度の繰り返しを経て、スバルは五度目の世界を踏破した。
それまでの四つの世界の思い出は、もはやスバルの中にしか残っていない。
そんな日々の中、関係を築いた屋敷の人々に、見知らぬ人間扱いされた衝撃は今なお忘れ難い。
あの苦しみと悲しみは、決して薄れない。
「……なんなのかしら? スバル、なんで急にベティーの頭を撫で始めているのよ?」
「気にすんな。あんとき、お前のおかげでずいぶん救われてたよなーって感慨深いだけだ。感謝感謝」
「わけわかんないかしら。それに髪が乱れるからやめ……なくてもいいけど、もうちょっと気を遣って撫でるのよ」
お尻半個分だけ席を詰めて、ベアトリスが頭を預けてくる。仰せの通りに、とスバルはその頭を撫でてやり、事実として救われたときの心境を再確認させられた。
屋敷の繰り返しの日々、スバルへの態度が変わらなかったのはベアトリスだけだ。『死に戻り』の起点より前に出会い、その後も彼女だけは接し方が変わらなかった。
それに救われたことは、ずっと彼女にも秘密だろう。
「そのあとは、エミリアたんに救われたんだけどな」
「――?」
スバルの述懐に、エミリアが不思議そうな顔をする。