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华鸣之花(日语版小说)(14)

 頭に響く君の声に素っ気なく返すと、割り箸を手にして二つにする。
 まずはうどんの上に載った天ぷらを口に運んで、噛むとジュッと溢れ出た油に舌をとろかさせた。やっぱりおいしい。これは本当に。
でも一つ思い出して、僕は先っちょが噛まれてしまった天ぷらをうどんに戻す。
 そしてスマホを取り出すと、ちょっと工夫してまだ食べていない状態のような写真を撮った。
うーん、湯気で少し曇ってるかなぁ。
 もう一度、今度は角度も気をつけて撮ってみる。
『うわぁ……写真撮らなきゃ』
顔を上げると、一つのうどんに何十枚もの写真を撮る君が浮かぶ。
 前はバカにしてたのに、今じゃ僕もプロのインスタグラマーに違いない。
 そんなことを思いながらうどんをすする。

华鸣之花(日语版小说)


今日は二人分食べないといけないのだから、張り切らないと。
※※※
疲れきった身体を癒やしてくれたのは、君が見つけた旅館だった。
 ここの温泉は有名じゃないけど、隠れ名所なんだと君は言ってたね。
 さっき入ってきたけど、やっぱり君の言うとおりだ。
 肌の艶が戻ったかと思うくらいで、身体の重さが飛んで行く。
『温泉どうだった?』
戸を引くと君が浴衣姿で布団の上に座っているのが見えた。
 僕は一瞬立ち止まって、眉をひそめた。
 部屋の灯りが殆ど消されて、暖熱色の光だけが布団の隣に置かれた和紙貼りの照明から漏れている。それは君の顔を儚げに浮かべていた。まるであの歩道橋の上で出会った時の君のように。
「…………どうしたの」

华鸣之花(日语版小说)


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