华鸣之花(日语版小说)(12)
『カノガウダキリヌゲト』
「え?」
辺りを見渡す。
車室には僕以外に誰もいなかった。
僕は頭を振りながら、またかと歯を食いしばる。
ダメだ、ここ最近は特にひどい。
※※※
電車旅行なんて実際のところ、ほとんどの時間を寝て過ごす。
あの日も僕達はいつの間にかに目的の駅について、そして香川の澄んだ空気を思いっきり吸った。
『聞いて! こんぴら船々の歌!』
……君は相変わらずだ。
駅のスピーカーから流れる列車接近メロディに君は興奮した声で僕の腕を強く引いた。
こんぴら船々~と歌詞を口ずさむ君に若干僕は「この子どういうマニアなんだろう……」と引きつっていた気がする。
君に引っ張られて買ったペアのおみやげストラップ。
スマホからぶら下げたそれを見てから、お土産店を眺める。
客足の多いお店だけど、値段もなかなか高かったなぁ。
『琴平駅からだと、えっと……こっちか。よし行こう!』
うどんは山の上にある金刀比羅宮でお参りしてからのご褒美らしい。
随分と上機嫌に手を繋いでくる君に僕は戸惑いながらも、ついていった。
今日もあの時と同じく、他の観光客でいっぱいだよ。
『もう見えてきた、あれかな』
表参道を越えた後。
金毘羅山の階段を登り始めて、そしたらすぐに大きな鳥居が見えてきた。
君が『案外楽だったね』とか言いながら一気に階段を駆け上がる。だけどさらに上に続く階段を門の向こう側に見つけて、怪訝そうな顔をして立ち止まった。
「え?」
辺りを見渡す。
車室には僕以外に誰もいなかった。
僕は頭を振りながら、またかと歯を食いしばる。
ダメだ、ここ最近は特にひどい。
※※※
電車旅行なんて実際のところ、ほとんどの時間を寝て過ごす。
あの日も僕達はいつの間にかに目的の駅について、そして香川の澄んだ空気を思いっきり吸った。
『聞いて! こんぴら船々の歌!』
……君は相変わらずだ。
駅のスピーカーから流れる列車接近メロディに君は興奮した声で僕の腕を強く引いた。
こんぴら船々~と歌詞を口ずさむ君に若干僕は「この子どういうマニアなんだろう……」と引きつっていた気がする。
君に引っ張られて買ったペアのおみやげストラップ。
スマホからぶら下げたそれを見てから、お土産店を眺める。
客足の多いお店だけど、値段もなかなか高かったなぁ。
『琴平駅からだと、えっと……こっちか。よし行こう!』
うどんは山の上にある金刀比羅宮でお参りしてからのご褒美らしい。
随分と上機嫌に手を繋いでくる君に僕は戸惑いながらも、ついていった。
今日もあの時と同じく、他の観光客でいっぱいだよ。
『もう見えてきた、あれかな』
表参道を越えた後。
金毘羅山の階段を登り始めて、そしたらすぐに大きな鳥居が見えてきた。
君が『案外楽だったね』とか言いながら一気に階段を駆け上がる。だけどさらに上に続く階段を門の向こう側に見つけて、怪訝そうな顔をして立ち止まった。