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华鸣之花(日语版小说)(11)

だけど君はどこまでも君らしくて、心配そうに部屋の影から覗く僕を見つけるとニッコリと笑って言う。
『出かけよう!』
目的地も知らされず、その日、君と電車の切符を二枚買って最初の旅に出た。
 まったく君は荷物を全部僕に背負わせる意地悪なやつなんだから、電車に乗り込む頃にはクタクタだったよ。
そう考えると、今日は身軽で随分と楽だ。
 僕は切符を握りしめながら、窓際の席に座る。
 しばらくすると駅のホームの発車アナウンスと共に、窓の景色が流れ始めた。
 それを見つめながら僕は、ゆりかごのように心地よい揺れで眠りそうになる。
『うどんを食べるの』
そんな眠気も君の言葉が頭で響いたから吹き飛ぶ。
 隣を見るとそこには両目を天井に向ける君がいた。

华鸣之花(日语版小说)


 僕は苦笑いをしながら、まさかとは思いながらも返す。
「それも願い事なの?」
『うん。香川のね、金毘羅山。うどんが美味しいんだって』
とても真面目な顔をして言うもんだから、僕は何も言えずに視線を車窓に戻したのを覚えている。ついに家から出たと思えば、僕らの目的がうどん観光だったんだ。驚きよりもまず先に、君がどういう子なのかが分かってきたのが何よりも嬉しかった。
でもそれとは別に君を失う恐怖も覚えた。この願い事を全部叶えたら君は本当に死んでしまうのだろうか。それとも死なないで、この恋人ごっこを続けてくれたら……。
 そんな事を頭で巡らしていると、いつの間に眠りに落ちた君が頭を僕の肩に乗せてたっけ。まったく僕達は何をしていたんだろうな。
君の重みを肩に感じながら僕は本州と四国を隔てる瀬戸内海と山々を見つめる。青と緑のコントラストが夏の太陽に当って眩しいくらいだ。

华鸣之花(日语版小说)


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