【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(8)
俺もアスナに則り、仮説を引き継いだ。
「《こうなっていたかもしれない未来》が別世界に存在……それはつまり、ゲームで言うなら冒険の書が一冊のオートセーブじゃなく、ルート分岐ごとに冒険の書がパラレルで生み出されてるようなものか」
「はい。そのパラレルワールドの中の一つに、《私たちが人気商品になっている分岐ルート》があると言うわけです」
「なるほどな……ありがた迷惑な話だぜ」
「おそらくはその別世界からやってきたブラス・エディターは、私利私欲のために、この世界のパパを……!!」
悔しそうに俯くユイ。
「まだ《アース:AW》と《アース:SAO》を交差させるのは、バンダイナムコのゲーム《アクセル・ワールドVSソードアート・オンライン 千年の黄昏(ミレニアム・トワイライト)》以外では時期尚早なのに!! あの危険人物は、ブリキ・ライターさんの尻叩きだけに飽き足らず、作品と時空を跨いでまで支配を企むなんて……!!」
悲しみに暮れる小妖精だが、後半の部分はよくわからないし、いろいろヤブ蛇の予感がするからスルーしておくか。
「ま、まてユイ、仮に俺たちがグッズになる世界があるとしてだ。だとしたら、そこでもっとも求められる人材は俺じゃなくて――」
とっさに気づいた物事の真理。しかし、時はすでに遅かった。
「きゃあっ!!」
「アスナ!!」
今度はウンディーネの少女がゲートに吸い込まれる!!
俺は必死に手を伸ばして最愛のパートナーを逃さんとするが……無情にも右手は虚空を通過した。
「ママ!」
俺の反応より一足早くユイがとっさに青い髪の毛に捕まる。
しかしそのままアスナはゲートへと消えていった。
* * * *
数秒後、転移で戻ってきた彼女もやはり俺と同じ疲労困憊だった。
「はあっ……はあっ……」
「ユイ、今度はどうだったんだ?」
「はい……ママの場合は特に大変でした……。まずは牛丼チェーン店でのアナウンス、次にタワーなレコードショップで販売員を、さらに東に急ぐホームセンターや製麺屋さんでも店員に、つづいて黒縁眼鏡をかけて宣伝隊長、北九州に飛んでサッカーチームのチアガール、ペットロボットのお世話、着物を着てモデル撮影、そしてアプリゲームでは小悪魔風水着から猫耳メイドまで、ありとあらゆる衣装に着替えさせられ、最後にはパパと同じく添い寝シ――」
「よせ、もういいユイ!」
「そ、そんなに頑張ったんだ、わたし……!」
尋常ではないハードスケジュールをレポートするユイをどうにか制止し、
「こんな非道をこれ以上許すわけにはいかないぞ……! あのブラス・エディターの《引き寄せ(アポート)》攻撃を、どうにか回避しないと……!」