【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(7)
どういう攻撃なんだそれは!?
ユイは深刻なトーンで続ける。
「白いシーツが敷き詰められたベッドに寝かされたパパは、きっと操られていたんだと思います。なんかいい感じのイケメン笑顔をしていて、半裸になった後はあられのない姿で何枚も写真を撮られました。意外と嫌じゃない風の笑顔です。そして「お疲れ様!」と声をかけられたあと、再び空中にゲートが開き……ここに戻ってきたんです」
「まったく記憶がないぞ……!」
「あのゲートは別次元……ここではないどこかの世界とつながっています。そこでパパは……なんといいますか……一生懸命《仕事》をこなしていました」
……まさか、先ほどブラス・エディターが空に向かって叫んだ言葉は、そのまんまの意味……ということなのか?
「ねえ、みて二人とも」
警戒を解かないアスナが、数十メートル先に立つ黄金色の土管を指差す。
「よし。この商材はコミケ会場で販売っと……」
チューブ状の腕、四対ある両腕の下から二番目の一組を使って、通常サイズに戻った赤ペンで手帳になにかを書き込んでいる。一番上の両腕で大きな布のようなものをつまんで広げていた。
これは……おそらくゲート先で作られたものなのだろう、俺の半裸(!)が、プリントアウトされている大きな布だった。
「『ソードアート・オンライン キリト 添い寝シーツ』完成っと……」
相手が戦闘態勢をとっているというのに、呑気にメモを取る偽茅場。
メモの不可思議な内容に、俺たち三人は顔を見合わせる。
「これは、つまり……?」
「パパ、ママ。おそらくなのですが……あの土管さんは、パパを別世界に連れ去り、文字通り道具のように扱って、勝手にキャラグッズを作って、どこかで販売しようとしているのではないかと……!」
「グッズ……? 販売だって……?」
「え……でも、わたしたちのグッズなんて……買う人いるの? だってわたしたち、ただの高校生だよ?」
「まずなのですが、ブラス・エディターなるデュエルアバターは、あの《異次元ゲート》を自らもくぐり、別世界からやってきたのだと思われます」
「それは……なんとなく理解できるわ」
「パパとママは《マルチバース理論》というのをご存知でしょうか?」
「えっと……最近のハリウッド映画とかで流行ってる言葉だよね。たしか本来は理論物理学の多元宇宙論が元の意味だけど、SFや映画の世界では……」
アスナは頭の奥底から知識を引き出すように、
「たくさんの《こうなっていたかもしれない未来》がどこか別の世界には存在している。そして、存在しているならその別世界に行き来できるんじゃないかっていう話……だったかな」