【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(6)
なに……?
俺は土管ロボットの言葉にひっかかりを覚えた。
アンダーワールドの世界でコマンドとして存在する《武装完全支配術》。なぜあの技を目の前のロボットが? ……いや、ほんの少しだけ、スペルが違ったか?
混乱する俺を尻目に、ブラス・エディターはチューブ状の腕を器用に動かし、巨大赤ペンで空中に何かを書き記す。
これは……図形? 奇妙な円形が何重にも描かれていく。この幾何学的な文様は……魔法陣か! もちろんこんな演出の魔法は、《ALO》には存在しない。
やつ独自の技としか考えられない。どういうロジックかは判断つかないが……土管の軽薄そうな気配とは裏腹に、俺は確信めいた危機を感じていた。少なくともアンダーワールドにおける神器、その《武装完全支配術》レベルの攻撃が放たれると思っておいたほうがいいと。
「アスナ、支援魔法の準備を」
「うんキリトくん。まずは相手の出方を見極めよう」
まるで黒の剣士と血盟騎士団副団長時代に戻ったような二人。
しかしそんな俺たちを意に介さず、出現した魔法陣の精度を確認しながら、黄土色の土管はより一層軽薄そうな声で、
「キリトさん、お仕事で〜〜〜〜す🥰!!」
空に向かって叫んだ。
「………………なに?」
瞬間。
「う、うわっ!?」
俺は、見えない巨人族の手につかまれたような拘束感を覚える。続いて超強力な《引き寄せ(アポート)》作用の影響下にあることを自覚する。
つまり――。
ブラス・エディターが生み出した魔法陣ゲートの中に吸い込まれる!!
「キリトくん!!!!」
「アスナ!!!!」
そこからの俺に……記憶はない。
* * * *
時間にして、五秒程度だったらしい。
「はあっ、はあっ、はあっ!」
「……キ、キリトくん、いつのまに!?」
気づけば俺はまた、やつと対峙していた元の場所に立っていた。アインクラッド第一層、《はじまりの街》のあの広間だ。数十メートル先には、あの黄土色の土管が立っている。
しかしこの疲労はなんだ? やつに何をされたんだ!?
「俺はいったい……何が起こったんだ?」
「あのゲートに吸い込まれたと思ったら、キリトくんはまたすぐここに転移してきたの。わたしにもなにがなんだか……」
「パパがゲートに吸い込まれたあとの記憶は、私が記録しています」
ぴょん、と俺の懐から飛び出してくる薄桃色のワンピース少女。
「ユイちゃん、教えて?」
「はい。パパがゲートに吸い込まれたその先は、どこかの撮影現場でした……」