【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(13)
その形は、小さなひし形を十字に組み合わせたものだ。つまり、《彼女》の剣の鍔に施された意匠と同じ――。
「な、これは、まずいですよ!?」
氷漬けになり、身動きのできないブラス・エディター。
空中で大きく旋回し、勢いをつけたその黄金の小片群は、ものすごい速度をもってして黄土色の胴体に直撃する。
「ぐ、おおおおおお!?」
花びらの衝撃波がぶつかる直前、氷を支配するユージオが土管にまとわりつく氷の拘束を一瞬だけ解いた。
ガァアアアン! という高い金属音と共に、黄土色の土管は弧を描いて吹っ飛び、数十メートル先の海に落ちた。
そしてようやく、黄金色の重厚打撃を繰り出した主が《ゲート》から姿を現す。
空中の魔法陣から颯爽と地面に降り立ったのは、花びらと同じ色をした少女。
アリス・シンセシス・サーティ。
アンダーワールド《人界》を守護する整合騎士で、ボトムアップ型AIの最高峰。そんな彼女が現実世界にやってきた今は、俺たちのネトゲ仲間……でもある。
敵を揺動するため左右に展開していたアスナとユイと合流し、俺たちは最強の助っ人二人のもとに駆け寄った。
「アリスさん、助かりました」
アスナがアリスに、
「……ありがとうな、ユージオ」
俺がユージオへ、感謝を伝える。
「突然言われてびっくりしたけど……上手くいったみたいだね」
優しく微笑む相棒に俺も笑い返す。
その横で、しばらく土管の水没地点を見据えていた黄金の整合騎士も、ようやく警戒を解きこちらに向き直る。
「……私もあの不埒者によって囚われていましたから……。難儀しているところに妖精の少女がやってきて抜け道を教示してくれたのです。撮影とやらで何故かこの神器と整合騎士の鎧を纏っていたときでしたから、丁度良かった」
《あの》の部分で、顎をくいと、土管が沈んだ場所へ向けるアリス。
「はい! お二方にはしっかりと《ゲート》のセキュリティ・ホールを伝えました!」
俺の傍で滞空しながら、ユイはピースサインを見せる。
なんとなく、アリスとユージオが巻き込まれている理由がわかった気がした。敵が必要とし、魔法陣へと吸い込む理由はただ一つ、俺たちのグッズを作りたいかららしい。
つまりこの助っ人二人もそういうニーズが《分岐した世界》ではとても高い……ということなのだろう。
「今がちょうど旬だから、とお二人は言われたそうです。アリスさんやユージオさんも、花嫁姿になったりタキシード姿になったりと大変そうでした……」