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【ぶち壊せ、そのラムネ瓶を】千歳くんはラムネ瓶のなか7【感想】(生,夹杂私货)(7)

5.On your marks.さて、ここからは紅葉のことを語ります。これは前回書いたエッセイでもこれでもかって書いたんですが、今回はよりストーリーに沿った話をします。
紅葉の言動を、皆さんはどう感じ取ったでしょうか?
確かに理屈の上では彼女は何も悪いことをしていないし、卑怯なことをしていない。それでもやっぱり彼女たちの居場所を意図的に踏み荒らして傷つけたのは「悪女だな」、と私は感じていました。
初読だから細かい部分を拾えていなかった、っていうのあるんですけどね。
朔が大事にしている今が彼にとって、そして彼らにとってどれほど大切なのかもわかっていたし、「みんなの物語」としてのチラムネが大好きだからこそ、好き嫌いではなく「悪女だな」と感じたわけです。ある意味では、場をかき乱すトリックスターのような感覚を受けながら。

【ぶち壊せ、そのラムネ瓶を】千歳くんはラムネ瓶のなか7【感想】(生,夹杂私货)


それが変わったのが、プロローグ『ヒーロー見参』でした。
もしかしたら私はここを読んで初めて、力強く抗う望紅葉という少女を理解できたのかもしれません。
この子は悪女なんかじゃない。きっとこの子なりに悩んで、苦しんで、きらきらした朔たちの日々に焦がれて、それでも本当の望みを選んだんですよね。
しかもその望みに手を伸ばそうとしたとき、既に割り込めないくらいに関係が築かれてるんですよ。
三章を読んでたくさん痛くて辛くて苦しかったのに、プロローグを読んだら「いっちゃん辛いのはこの子じゃんか……!」って思えちゃいました。
十五歳(もしかしたら十六歳)の少女が、一途な恋のために本心から憧れている先輩たちの中に割り込み、抗おうとしてる。あまりにも気高くて、月そのものみたいじゃないですか。

【ぶち壊せ、そのラムネ瓶を】千歳くんはラムネ瓶のなか7【感想】(生,夹杂私货)


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