第19话 文化祭、和你一起(8)
「全然聞いてないけど……まあ、そういうことなら行ってくるよ」
「うん、なんか新浜君にとって最重要なミッションとか言ってたよ?」
ますますわけがわからないが、とにかくそのもう一人のクラスメイトとやらをいつまでも待たせているわけにもいかず、俺は筆橋に別れを告げて1階へ向かった。
しかし……何なんだ一体……?
「あ! 新浜君! こっちですこっち!」
「え? 紫条院さ――――」
聞き慣れた声に反応しかけた俺は、言葉を失った。
なぜなら玄関ホールに着いた俺を出迎えてくれたのは、和装束の天使だったからだ。
(浴衣……紫条院さんの浴衣姿……!)
俺は意識が飛びそうになる衝撃をこらえ、その艶姿に魅入った。
桜柄のピンク色の浴衣は少女らしい華やかさを彩っており、紺青に白い桜の模様が散る夜桜イメージの帯が素晴らしいアクセントになっている。
長い黒髪を結い上げてバックでお団子にしており、いつも隠れている真っ白なうなじがあまりにも眩しい。髪に挿してあるガラスビーズで藤の花を模したかんざしも、やや大人な雰囲気でとても艶っぽい。
(綺麗だ……綺麗すぎる……)
小野小町もかくやという和美人ぶりに、何もかもが魅了される。
激烈な感動が胸を満たし、涙すら溢れそうだ。
「ふふっ、文化祭で浴衣を着ることをお母様に話したら、『ならこれを着て行ったらどう~?』ってウチにあったものを貸してくれたんですけど……どうですか?」
「ああ、綺麗だ……」
「え……」
「すごく似合ってて、綺麗すぎる………………はっ!?」
魅了されてピンク色になった脳が心の声をそのまま口から出力していることに気付き、俺は青ざめた。
し、しまった……つい可愛すぎて頭がバカに……!
「あの、その……あ、ありがとうございます……」
「うん、なんか新浜君にとって最重要なミッションとか言ってたよ?」
ますますわけがわからないが、とにかくそのもう一人のクラスメイトとやらをいつまでも待たせているわけにもいかず、俺は筆橋に別れを告げて1階へ向かった。
しかし……何なんだ一体……?
「あ! 新浜君! こっちですこっち!」
「え? 紫条院さ――――」
聞き慣れた声に反応しかけた俺は、言葉を失った。
なぜなら玄関ホールに着いた俺を出迎えてくれたのは、和装束の天使だったからだ。
(浴衣……紫条院さんの浴衣姿……!)
俺は意識が飛びそうになる衝撃をこらえ、その艶姿に魅入った。
桜柄のピンク色の浴衣は少女らしい華やかさを彩っており、紺青に白い桜の模様が散る夜桜イメージの帯が素晴らしいアクセントになっている。
長い黒髪を結い上げてバックでお団子にしており、いつも隠れている真っ白なうなじがあまりにも眩しい。髪に挿してあるガラスビーズで藤の花を模したかんざしも、やや大人な雰囲気でとても艶っぽい。
(綺麗だ……綺麗すぎる……)
小野小町もかくやという和美人ぶりに、何もかもが魅了される。
激烈な感動が胸を満たし、涙すら溢れそうだ。
「ふふっ、文化祭で浴衣を着ることをお母様に話したら、『ならこれを着て行ったらどう~?』ってウチにあったものを貸してくれたんですけど……どうですか?」
「ああ、綺麗だ……」
「え……」
「すごく似合ってて、綺麗すぎる………………はっ!?」
魅了されてピンク色になった脳が心の声をそのまま口から出力していることに気付き、俺は青ざめた。
し、しまった……つい可愛すぎて頭がバカに……!
「あの、その……あ、ありがとうございます……」