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第19话 文化祭、和你一起(7)

入り口には立派な看板だけでなく瓦を模した軒先とのれん、そして床に敷かれた赤い毛氈が客を迎える。
 内装は木目調の柱や障子・すだれで和民家風になっており、いつの間にか作られたぼんぼりなどの置物や、紙風船や鶴の折り紙などの小物ワンポイントもセンス良く配置されている。
「しかし凄く盛況だな……満員御礼だ」
法被はっぴとねじりはちまきを身につけた調理班が忙しくタコ焼きを作り、浴衣を着た女子たちと着流しを着た男子たちが忙しなく給仕をしているが、客はどんどん入ってきて息つく間もないようだ。
「うん、新浜君の読みどおり他のクラスと商品がかぶってないし、大ハズレロシアンタコ焼きも凄く売れてるみたい。ああいうゲーム的なものってお祭りだとやっぱりウケるよね」
「しかしそれにしたって多過ぎのような……? まあいいことなんだけど」
「そうそう、いいことだって! あ、それと業務連絡その1なんだけど、塚本君が彼女さんが転んで膝をすりむいたとかで保健室にすっ飛んで行ったから山平君にシフト入ってもらってるよー」

第19话    文化祭、和你一起


「了解っと。まあそれくらいならすぐに戻ってくるだろうし、あいつの文化祭デートにも影響ないだろう」
塚本は準備段階からそこを気にしてたからな。大人の思考としては僅かな青春に美しい思い出を残して欲しい。
「文化祭デート羨ましいよねぇ……選ばれた一握りの高校生しか味わえないレアイベントだよ」
「いいよなあ……まさに青春が爆発してる感じだ」
漫画やアニメでは定番だが、意中の女の子とキャッキャウフフしながら文化祭を回るなんてリアルではまさに見果てぬ夢だ。
「あ、それと業務連絡その2ね! 風見原さんが新浜君に今からシフト外の仕事をお願いしたいんだって」
「は……シフト外の仕事……? なんのことだ?」
「私も『何それ?』って聞き返したんだけど、『まあ、一言で言うならお礼です』とかよくわからないことを言ってて……とにかく玄関ホールに行けばもう一人お願いしているクラスメイトがいるからそこで話を聞いて欲しいみたい」

第19话    文化祭、和你一起


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