第19话 文化祭、和你一起(9)
公衆の面前で俺にキザな台詞を言われたのが恥ずかしかったのか、紫条院さんは着ているピンクの浴衣より頬を紅潮させた。
ごめん紫条院さん……そんな赤くなった顔も可愛いとか考えている自分がいる……。
「え、ええと! 俺は風見原からクラスの仕事って言われて来たんだけど、紫条院さんもそうなのか?」
「は、はい! そうなんです! 二人でこれを1本ずつ持って歩いてタコ焼き喫茶の宣伝をしてきて欲しいって!」
照れ隠しを兼ねて尋ねた俺に紫条院さんが見せてくれたのは、さっきから紫条院さんが持っていたプラカードだった。
『2-B 和風タコ焼き喫茶! 味は6種類! テイクアウト可!』というシンプルな宣伝が書いてある。
(なるほど……あのすごい客の数は紫条院さんがこの玄関ホールでプラカードを掲げて宣伝していたからか……)
さっきから艶やかすぎる紫条院さんに集まる視線の数が男性・女性問わずものすごい。
美人、赤ちゃん、動物はコマーシャルの基本だが、ここまでの美貌だとその効果もやはり凄まじいことになるんだな……。
「ん? 二人で宣伝……?」
「はい! 二人でプラカードを持って校内のあちこちを歩いてくる仕事です! 出し物をやっている教室とかにも積極的に入ってアピールして欲しいって言われました!」
…………あれ?
俺と紫条院さんが二人で色んな出し物を見ながら、文化祭を歩き回る……?
え、いや、それじゃまるで……!
「あ、それと風見原さんからこれを新浜君にって」
「え……?」
紫条院さんが手渡してきたのは簡素な手紙だった。
俺は動揺して乱れる心を抱えたまま、それを受け取って広げる。
『紫条院さんとは合流できましたか? はい、お察しのとおり文化祭デートです。私の無能さのせいでゴミみたいな結果になるはずだったクラスの出し物を救ってもらったささやかなお礼です。宣伝なんてそっちのけでイチャイチャしてください』
ごめん紫条院さん……そんな赤くなった顔も可愛いとか考えている自分がいる……。
「え、ええと! 俺は風見原からクラスの仕事って言われて来たんだけど、紫条院さんもそうなのか?」
「は、はい! そうなんです! 二人でこれを1本ずつ持って歩いてタコ焼き喫茶の宣伝をしてきて欲しいって!」
照れ隠しを兼ねて尋ねた俺に紫条院さんが見せてくれたのは、さっきから紫条院さんが持っていたプラカードだった。
『2-B 和風タコ焼き喫茶! 味は6種類! テイクアウト可!』というシンプルな宣伝が書いてある。
(なるほど……あのすごい客の数は紫条院さんがこの玄関ホールでプラカードを掲げて宣伝していたからか……)
さっきから艶やかすぎる紫条院さんに集まる視線の数が男性・女性問わずものすごい。
美人、赤ちゃん、動物はコマーシャルの基本だが、ここまでの美貌だとその効果もやはり凄まじいことになるんだな……。
「ん? 二人で宣伝……?」
「はい! 二人でプラカードを持って校内のあちこちを歩いてくる仕事です! 出し物をやっている教室とかにも積極的に入ってアピールして欲しいって言われました!」
…………あれ?
俺と紫条院さんが二人で色んな出し物を見ながら、文化祭を歩き回る……?
え、いや、それじゃまるで……!
「あ、それと風見原さんからこれを新浜君にって」
「え……?」
紫条院さんが手渡してきたのは簡素な手紙だった。
俺は動揺して乱れる心を抱えたまま、それを受け取って広げる。
『紫条院さんとは合流できましたか? はい、お察しのとおり文化祭デートです。私の無能さのせいでゴミみたいな結果になるはずだったクラスの出し物を救ってもらったささやかなお礼です。宣伝なんてそっちのけでイチャイチャしてください』