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【搬运】真岛芳树:千夜之梦日语版(4)

「そうだ、姫様、これを」
今朝摘み取った白い花を水を張った洋杯から抜き出して姫に捧げる。
「これは、何の花?」
「クチナシですよ。この庭に自生していたものです。純白の花が綺麗でしょう」
「本当ね。それに、甘い香り…」
「そうです。濃厚な甘い香りがするので、虫が寄り付きやすいんですよ」
爛れた甘い香りは無知な虫を誘う。..も、俺も。中毒者は無性に甘い果物を欲し、狂ったように..に耽る。俺にとっての甘い香とは全てそこへ直結し、そしてやがては死へと誘う破滅の香だ。
「嬉しい。ありがとう、真島」
姫は俺から受け取った花を胸に抱き、ほんのりと類を染めた。そんな顔をしないで欲しい。この部屋から帰したくなくなってしまう。
(この可憐な花はあなたのようだ)
彼女も現に引き寄せてしまっている——俺という悪い虫を。


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