《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第二章 4/6(12)

ダナンの言葉だ。
数え切れないほどに戦ってきた俺は、皮膚と肉をどう切ればし、いか知っている。
内臓がどこにあるのか、どう刃を通せば内臓を貫き殺せるかを知っている。
その経験が、今この女性を生かす力となっている。
「それじゃあリット、ル1ティ、フォローを頼む」
頷いている2人を頼もしく思いながら、俺はケイトの腹部にナイフを当てた。
＊＊＊
「レッドさん、ありかとうございます！」
ケイトと家族達が俺の手を取ってお礼を言ってくれた。
村の人達にも話が伝わり、ケイトを救った薬屋として認知されたようだ。
支払われた銀貨は少なかったが、たくさんの新鮮な野菜、鶏卵 、鶏肉、馬乳、リンゴ酒やエール酒など村の地酒を貰った。
他にもこれから毎日焼きたてのパンと穫れたての野菜を届けてくれることとなった。
この村にいる間は食事に困ることはないだろう。 
「ずっと私は母と同じ病で死ぬと……それが私に神様がお与えになった運命だと、諦めていたから……」

「運命なんかじゃないさ、ただの治療可能な病気だ」
ゾルタンでなら治療もできただろう。
特別な加護による奇跡ではなく、人の手で克服した病気だ。
「あのレッドさん……なぜ見ず知らずの私にここまでしてくれたの?」
ケイトが俺に尋ねた。
「お医者さんのやり方とか全然分からないけどさ、腹を切って悪いものを切り取るってことは決して楽なことじゃないと思、つんだけど……」
ふーむ……そう言われてもなぁ。
「たまたま俺が通りかかって、 たまたま治療法を知っていただけだよ」
「レッドさんは良い人だね……運命じゃないって言われたけど、 でもレッドさんと出会えた事こそ神様の思し召しだ」
ケイトと村の人達は、 素朴な信仰心で神に感謝の祈りを捧げている。
後ろでルーティが少しムスッとしていたので、頭をなでてなだめておく。
「それじゃあ、 また明日抜糸を行うから。何か異状を感じたら誰か俺の所へ呼びに来てくれ、コテージにいるから」