《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第一章 4/4(8)

ルーティはこくりと頷いた。
一緒に旅をしていた頃、ルーティはダナンに興味を持っていなかったが今は違う。
ルーティの口元がわずかにほころび、小さな笑みを形作っていた。
それが俺にとってもすごく嬉しい。
「ん」
その時、ルーテイか何かに気かついたように北の方角を見た。
「お兄ちゃん、村が襲われている」
「何?」
ルーティの指差す方を見れば遠くに煙が立ち上っているのか見える。
「レッドとルーティは先に向かって、私達も後から追いつくから！」
リットは追い風の魔法を俺とルーティに掛けなからそう叫ぶ。
「分かった！行くぞルーアイ」
「うん」
俺は快速スキルマスタリー："ク雷光の如き脚"を使い一気に加速する。
ルーテイも速力を上げる魔法を重ねかけ、俺の後ろについて走っている。
遠くに見えた村まで俺達兄妹は数分で駆け抜けた。
「お兄ちゃん、ゴプリンだよ」
ルーテイか言った。

村を襲っているのはゴブリンの集団だ。
「少し数が多いな、外から流れてきた集団か」
数は30体以上。
人間の作った武器で武装し、油を使った火炎壺まで用いている。
「どこかの領主に傭兵として雇われ訓練されていたか……扱いきれなくなって追い出されたってところだな」
「迷惑」
「ああ、迷惑だな」
俺とルーティはゴプリン達の背後へ強襲した。
「何ダ！？」
 コプリン訛りの強い共通語でゴプリン達は叫ぶ。
槍で応戦してくるか、ダナンとの手合わせに比べたらあまりに鈍い。
俺達はゴブリン達の間を駆け抜けながら、まともな反撃もさせずに全員を倒すことができた。
「あとは村に入り込んでいるやつら……は、もう倒してあるようだな」
村の方にも腕利きの戦士かいたようだ。
戦いの気配はもう終わっていた。
「驚いたな」
村で戦っている2人の顔を見てゞ俺は思わず言葉を漏らした。
1人はヴェロニア王国の件でラストウォール大聖砦に赴いていた、ゾタン聖方教会のトップであるシェン司教。