《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第一章 3/4(9)

「ん……」
「ど、つかな?」
「ああ、すごく気持ちいいよ」
リットのマッサージはとても心地が好い。
技術も良いが、何より俺の身体を労っているリットの愛情が指から伝わってくる気がする。

俺は身体だけでなく心の緊張も解き、リットにすべてを委ねることにした」
「どう、ダナンには勝てそう?」
目をつぶり脱力している俺にリットか話しかけた。
「やはりダナンは強いよ。 こうして一緒に特訓しているとその凄さがよく分かる」
「そうね、多分ルーティを除けばダナンが今の人間の中で一番強いと思う」
「あれは武術の権化だ」
「でもやるんでしょ?」
「もちろん、仲間だからな」
ダナンはスローライフが理解できない男だ。
今も俺やルーティがなぜゾルタンでの暮らしを選んだのか、全く理解していないのだろう。
ならば戦いを通して俺の選んだ生き方を伝えなければならない。

仲間としてお互い納得して「さよなら」 を言うために。
＊＊＊
2日後。日が傾いてきた頃。
俺とダナンは向かい合って構えていた。
俺の剣にもダナンの拳にも、マーシフルポーションが塗られてある。
これにより、相手に当てても傷つけることなく痛みだけを与える。
だが、 ダナンの本気の拳か直撃すれば痛みだけで俺は意識を失うだろう。
「ふぅぅ……」
俺は息を吐き、感覚を研ぎ澄ます。
「…………」
ダナンの顔に笑みはない。
本気で戦いに挑もうという戦十の表情があるだけだ。
「それじゃあ」
中央に立っルーテイか右手を上げた。
何か事故が起こりそうな時、俺達の戦いを止められるのはルーテイしかいない。
「お互い恨みつこなしで」
そう言ってから、俺達へ順番に視線を向ける。
俺とダナンは1回だけ頷いた。
「うん……始め」
ルーティが右手を振り下ろしたと同時にダナンか地面を蹴った。