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千歳の湯(4)

2023-10-28 来源:百合文库
いつか、おじさんに、たわしで背中を洗われたときは必死でがまんしました。いつも英二君にシャンプーを借りに来るおじさんもいました。
そのおじさんはいつも悪いからと言って、いちご牛乳をごちそうしてくれました。こうした男湯の経験は英二君が中学に入って、となり町へ引っ越し行くまで続きました。
英二君のお父さんは英二君が赤ちゃんのときに亡くなっているにで、男の裸のつきあいというのはこれが最初でした。裸になっちゃえばみんなおんなじなんだということを英二君は学びました。
月日がたら、社会人になってこの町にもどってきた英二君は裸のつきあいをしてくれた、あのおじさんたちのことを今でも思いだします。けれど、裸のつきあいをした【千歳の湯】は大きなマンションに今は変わってしまいました。

千歳の湯




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