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千歳の湯

2023-10-28 来源:百合文库

千歳の湯


英二君の家にはおふろがなかったので、いつもお母さんと一緒に近くの銭湯にかよっていました。銭湯には、いつもきまって夕方の五時ごろ行きます。
夏の陽が長い時に行くと銭湯の窓から夕陽が差し込みました。
逆に真冬の時は外はもう真っ暗で、ときおり雪が降るのを見ることができました。ちょっとした温泉気分です。
いつもは英二君は、お母さんと一緒に女湯に入っていましたが、ある日同級生の直子ちゃんと一緒になってしました。
英二君はそれまで女湯という場所を特別に意識していなかったのですが、それからは違いました。
女湯に入っている自分がとても恥ずかしくて、直子ちゃんと会ったときは、ずっと目をつむって、下を向いたまま、頭ばかり洗っていました。

千歳の湯


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