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千歳の湯(2)

2023-10-28 来源:百合文库
その時から、銭湯に行くのが嫌だと思うようになりました。そしてある日、英二君は思い切ってお母さんに言いました。
【僕、明日から男湯に入る】
英二君の決心はとても固いものでした。お母さんは言いました
【英二、一人で体や頭、ちゃんと洗えるの。べつに女湯に入るのはまだ小さいから大丈夫なのよ。】
【ちゃんと洗える。一人で洗える。明日から男湯に入る】
翌日、遊びから帰ると、英二君は一人でいつもの銭湯の用意をして、台所にいるお母さんに右手を差し出しました。
【銭湯行くからお金ちょうだい】
【本当に、ひとりで行けるの、大丈夫なの、本当に。】
お母さんはとても心配でしたが、直立不動で真剣な目で見つめる英二君に、しぶしぶながら銭湯代七十円を渡しました。七十円をにぎりしめた英二君はあっという間に銭湯に着きました。ここからが以前とは違います。いつもは右。今日からは左が入口になるのです。

千歳の湯


男湯というおっきな文字が入った紺色ののれんをくぐった瞬間、ただ右と左が違うだけで、自分自身がとってもおっきくなったような、かっこよくなったようなそんな感じを英二君は覚えました。
くつをぬぐと、英二君の好きな中日ドラゴンズのマーチン選手の背番号、四番の下足箱に入れました。そしていよいよ、本当に男湯の扉を開けるときがきました。
さっきのれんをくぐったときはワクワクでしたが、いざ扉を開けるときは、ドキドキに変わっていました。
がらがら
重くて、たてつけの悪い男湯の扉を開けると番台に座っているいつものおじさんが言いました。
【いらっしゃい。あれ、今日はお母さんといっしょじゃないのかい。お母さん風邪でもひいたかい】

千歳の湯


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