《大正浪漫》,夜游改编小说大赛vol. 2优胜作品(5)
関東大震災。日本史が苦手な僕でも知っている未曽有の大災害だ。
慌ててスマホを取り出し、関東大震災を検索する。
1923年9月1日発生。死者およそ10万5千人、うち東京は7万人。
...大丈夫、まだ彼女が巻き込まれると決まったわけじゃない。そう信じようとすればするほど涙が止まらなくなった。今からでもどこか遠くに逃げるよう手紙を書こう。告白の返事なんて今はどうでも良かった。どうか奇跡が起きて、一分一秒でも早くこの手紙が彼女のもとへ届きますように。届くまで10日もいらないでしょ。神さまお願い、なんでもするから。
千代子ちゃん
お願いがあります。今すぐできるだけ遠くに向かってください。大切な人たちを連れて。
明日、信じられないくらい大きな地震が東京を襲います。
落ち着いたらまた手紙をください。いつまでも待ってます。
時翔より
時は過ぎ、季節はすっかり冬になった。
あれ以来彼女からは何の音沙汰もない。
何度か僕から手紙を書いてみたが、それを彼女に送ることはもうできなくなっていた。
窓の外の雪を眺めながら日本史の問題集を解く。関東大震災は1923年。あの日以来この年号を忘れたことはない。でももう何の役にも立たない。
何でもっと早く気付けなかったんだろう。
僕は何度も自分を責めた。
中学を卒業し、高校生になった。
梅雨もようやく明けようとしているある雨の日、僕はクラスで親しくなった友人の家に遊びに行った。
彼の家に着くと優しそうなおじいちゃんが出迎えてくれた。
「友達の時翔くん。時を翔けるって書くんだよ、かっこいいよね。」
そう友人に紹介され、おじゃまします、と会釈をすると、
「時翔くん...ようこそ、ゆっくりしていってね。」
と少し驚いたような顔でそう言われた。
帰り際、僕はおじいちゃんから一枚の紙を手渡された。
慌ててスマホを取り出し、関東大震災を検索する。
1923年9月1日発生。死者およそ10万5千人、うち東京は7万人。
...大丈夫、まだ彼女が巻き込まれると決まったわけじゃない。そう信じようとすればするほど涙が止まらなくなった。今からでもどこか遠くに逃げるよう手紙を書こう。告白の返事なんて今はどうでも良かった。どうか奇跡が起きて、一分一秒でも早くこの手紙が彼女のもとへ届きますように。届くまで10日もいらないでしょ。神さまお願い、なんでもするから。
千代子ちゃん
お願いがあります。今すぐできるだけ遠くに向かってください。大切な人たちを連れて。
明日、信じられないくらい大きな地震が東京を襲います。
落ち着いたらまた手紙をください。いつまでも待ってます。
時翔より
時は過ぎ、季節はすっかり冬になった。
あれ以来彼女からは何の音沙汰もない。
何度か僕から手紙を書いてみたが、それを彼女に送ることはもうできなくなっていた。
窓の外の雪を眺めながら日本史の問題集を解く。関東大震災は1923年。あの日以来この年号を忘れたことはない。でももう何の役にも立たない。
何でもっと早く気付けなかったんだろう。
僕は何度も自分を責めた。
中学を卒業し、高校生になった。
梅雨もようやく明けようとしているある雨の日、僕はクラスで親しくなった友人の家に遊びに行った。
彼の家に着くと優しそうなおじいちゃんが出迎えてくれた。
「友達の時翔くん。時を翔けるって書くんだよ、かっこいいよね。」
そう友人に紹介され、おじゃまします、と会釈をすると、
「時翔くん...ようこそ、ゆっくりしていってね。」
と少し驚いたような顔でそう言われた。
帰り際、僕はおじいちゃんから一枚の紙を手渡された。