《大正浪漫》,夜游改编小说大赛vol. 2优胜作品(3)
千代子より
彼女が僕に手紙を出したきっかけについて聞いたことがある。
ふと思い立って、彼女は百年後の東京の街並みや文明のことについてあれこれ想像を膨らませ、紙に書いてみたらしい。
用があってその場を離れたら紙は消えていた。誰かが裏紙にでも使ったのかな、と彼女はあまり気にも留めずそのことはすっかり忘れていた。
百年後の未来から返事が届くまでは。
宛先も送り主も書かれていない紙が勉強机に置いてあった。開いてみたら「百年後」というタイトルが見え、下には何だかよくわからないことが箇条書きで書かれていた。
弟がふざけて置いたのか、と思ったが百年後という割にはすでに存在しているものも書かれており(「勝手にお洋服を洗ってくれる機械ができている」というのはきっと洗濯機のことだろう)、心底訳が分からなかった。
でも書いてあることが面白くて、僕はその紙の裏に今存在する物、しない物を答え合わせのように書いた。
それがまた、いつの間にか時を超えて大正時代まで届けられたというわけだ。
千代子ちゃん
大人になった千代子ちゃん、綺麗なんだろうなあ。僕たちもあと5年たったら大人だね。
先のこと知りたくないって言うけどさ、僕からの最初の手紙でこれから発明される物とかだいたい分かっちゃったでしょ(笑)
長生きして、洗濯機使ってみてよ。絶対感動するから。
それよりさ、千代子ちゃんがめちゃくちゃ長生きしたら小さい頃の僕に会えるのかな?
同じ東京住みだし、可能性は無くはないよね。
僕も一目でいいから会いたいな。
時翔より
一目でいいから会いたい。好きだから。
最後の言葉は書かずに飲み込んだ。
純粋に時代を超えた文通が面白くて僕に手紙を送ってくれる彼女に、そんなことを突然伝えたらさすがに引かれてしまう。
手紙はいつも書いてからきっちり10日で彼女に届く。逆も同じ。
彼女が僕に手紙を出したきっかけについて聞いたことがある。
ふと思い立って、彼女は百年後の東京の街並みや文明のことについてあれこれ想像を膨らませ、紙に書いてみたらしい。
用があってその場を離れたら紙は消えていた。誰かが裏紙にでも使ったのかな、と彼女はあまり気にも留めずそのことはすっかり忘れていた。
百年後の未来から返事が届くまでは。
宛先も送り主も書かれていない紙が勉強机に置いてあった。開いてみたら「百年後」というタイトルが見え、下には何だかよくわからないことが箇条書きで書かれていた。
弟がふざけて置いたのか、と思ったが百年後という割にはすでに存在しているものも書かれており(「勝手にお洋服を洗ってくれる機械ができている」というのはきっと洗濯機のことだろう)、心底訳が分からなかった。
でも書いてあることが面白くて、僕はその紙の裏に今存在する物、しない物を答え合わせのように書いた。
それがまた、いつの間にか時を超えて大正時代まで届けられたというわけだ。
千代子ちゃん
大人になった千代子ちゃん、綺麗なんだろうなあ。僕たちもあと5年たったら大人だね。
先のこと知りたくないって言うけどさ、僕からの最初の手紙でこれから発明される物とかだいたい分かっちゃったでしょ(笑)
長生きして、洗濯機使ってみてよ。絶対感動するから。
それよりさ、千代子ちゃんがめちゃくちゃ長生きしたら小さい頃の僕に会えるのかな?
同じ東京住みだし、可能性は無くはないよね。
僕も一目でいいから会いたいな。
時翔より
一目でいいから会いたい。好きだから。
最後の言葉は書かずに飲み込んだ。
純粋に時代を超えた文通が面白くて僕に手紙を送ってくれる彼女に、そんなことを突然伝えたらさすがに引かれてしまう。
手紙はいつも書いてからきっちり10日で彼女に届く。逆も同じ。