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《大正浪漫》,夜游改编小说大赛vol. 2优胜作品(4)

2023-10-27YOASOBI大正ロマンス 来源:百合文库
だからいくらすぐに返事を書いても届くのには時間がかかる。
手紙じゃなくて彼女にスマホを届けてくれたら良いのに。
そしたら毎日やりとりができるし、声も聞ける。画面越しに笑い合うことだってできるだろう。
そういえば彼女は色々な機械の発明に納得していたけれど、スマホについてだけは全く理解も想像もできないと言っていた。
当たり前か。毎日使ってる僕ですらさっぱり仕組みが分からないのだから。
時翔くん
お手紙ありがとう。
たしかに私もう色んなこと知っちゃったね。洗濯機使ってみたいし、エアコンだっけ、そんなものがあったら家から出なくなっちゃいそう。未来にはこんなものができてるんだよって、みんなに言って自慢したいけど絶対信じてもらえないよね、なんだか悔しい。
時翔くんに会えるくらいまで絶対長生きするよ。約束。
時翔くんに会えたら伝えたいと思ってたことがあるんだけど、もう今ここに書いてもいいかな。

《大正浪漫》,夜游改编小说大赛vol. 2优胜作品


時翔くん、好きだよ。
すごくすごく会いたい。
時翔くんと手を繋いで、東京のまちを歩いてみたい。
そのためならいつの時代にだって行くから。
ごめんね急にこんなこと言って。気持ち悪いよね。こんな手紙捨ててくれていいよ。返事も無理に書かなくていい。ただ伝えたかったの。
千代子より
彼女からそんな手紙が届き、僕が嬉しさのあまり絶叫して母に怒られたのは夏休み最終日のことだった。
いつもうるさい小学生の弟が山積みの宿題のおかげで静かだから、僕の叫びが余計に響いたのだろう。
日が暮れる。もう夏が終わる。
その日の夜、僕は晩御飯を食べ終えて父の見ているニュース番組をぼんやり眺めていた。
そろそろ部屋に戻って明日の準備でもしよう、そう思って立ち上がろうとしたとき、アナウンサーの言葉を聞いて僕の頭は真っ白になった。
「関東大震災の日から、明日で100年を迎えます」

《大正浪漫》,夜游改编小说大赛vol. 2优胜作品


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