ネコとネズミ
2023-09-16 来源:百合文库
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日の事、おじいさんが山の畑で草むしりをしていると、草むらに一匹の子ネコがいました。
「おおっ、可哀想に。腹を空かせとるようじゃな。どれ、一緒に家に帰ろうな」
山で拾った子ネコを、おじいさんとおばあさんはまるで自分の子どものように大事に育てました。
ある日の事、納屋(なや→物置)の中で何やら変な音がするのに気がついたネコが、納屋へ入っていきました。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪つゆのしっけをふきとばせ。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪みがいてみがいて、ピッカピカ。
納屋の床にある小さな穴の中から、ネズミたちの歌う声が聞こえてきます。
次の日も、ネコは納屋に入ってみました。
するとキョロキョロと、まわりを見回しているネズミを見つけました。