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爪と牙を取られたネコ

2023-08-02日语睡前故事20210413 来源:百合文库

爪と牙を取られたネコ


 むかしむかし、ある商人がネコを飼っていました。
 お正月が近づいたので、商人の家で働いている小僧さんたちが餅をつき始めました。
 餅の大好きなネコは、うれしくてたまりません。
(よしよし、お正月には餅をたっぷり食べさせてもらえるぞ)
餅つきの次の日は、天気が良いのですす払い(→掃除)をする事になりました。
 ネコは邪魔になるといけないと思い、外に出て家の屋根に登りました。
 すると、長いささぼうきを持った小僧さんが出て来て、
「今から屋根の掃除をするから、家の中へ入っていろ」
と、言うのです。
 ネコが慌てて家の中へ入ろうとすると、今度は主人が言いました。
「お前にウロウロされてはすす払いが出来ないから、外へ出ていろ」
 さて、ネコは困りました。
 外へ出れば小僧さんに、
「中へ入っていろ」
と、言われるし、中へ入ろうとすると主人に、
「外へ出ていろ」
と、叱られます。
(一体、どこにいればいいんだ?)

爪と牙を取られたネコ


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