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翼をもらった月(2)

2023-09-15日语睡前故事20210504 来源:百合文库
二人が出かけてしばらくすると、子ガモはマスの中でつばさを三回広げて、ガア! ガア! ガア! ガア!と、四回鳴きました。
そのとたんに子ガモは羽を脱いで、美しい娘に姿をかえたのです。
 娘はおばあさんのエプロンをつけると、台所にたって野菜のシチューを作り始めました。それからそうじをして、白い布を見つけるとシャツを二枚ぬい、台所をていねいにみがきあげました。夕暮れ近くになると娘はエプロンをはずし、三回手をたたきました。すると娘は子ガモの姿に戻り、マスに入っていきました。
 キノコとりから帰ってきたおじいさんとおばあさんは、出来たての野菜シチューと、きれいにみがかれた台所を見てビックリ。
「いったい、誰がしたんだろう?」
次の日も、おじいさんとおばあさんはキノコとりに出かけました。
そして帰ってくると、部屋の中はきれいにそうじがしてあり、花がかざってあります。台所には、マメのスープと焼きたてのパンもあります。その次の日にはクッションが新しくなっているし、ベッドカバーには星のししゅうがしてありました。おじいさんとおばあさんは、ベッドの中で話しました。

翼をもらった月


「明日は出かけるふりをして、こっそり屋根から家の様子を見てみましょう」
「ああ、そうしてみよう」
 朝が来ると、おじいさんとおばあさんは出かけるふりをして、屋根にのぼって部屋の中を見ていました。子ガモはそうとは知らずに、三回羽を広げると、ガア! ガア! ガア! ガア!
と、四回鳴いて、羽をぬいで美しい娘になりました。娘はおばあさんのエプロンをつけると、さっそく台所にたって料理を始めました。
 それからそうじをして、おじいさんの机をみがき、おばあさんのやぶけたボウシをつくろいました。屋根の上のおじいさんとおばあさんは、それを見てビックリです。
「そうか、そういうわけだったのか。しかし、あの娘が夜もずっと娘のままでいてくれたらいいのになあ」
「そうだ、おじいさん。あの娘のカモの羽を、全部焼いてしまいましょうよ。そうしたらあの娘はカモの姿に戻る事が出来なくて、ずっと娘のままでいますよ」
「そうだな。よし、そうしよう」
 おじいさんとおばあさんは屋根をおりると、家の中へそっと入りました。そして娘が庭に出たすきに、二人は子ガモの羽を暖炉(だんろ)の火に投げ込みました。そこへ用事をすませた娘が、入って来ました。

翼をもらった月


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