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翼をもらった月

2023-09-15日语睡前故事20210504 来源:百合文库

翼をもらった月


むかしむかし、子どものいないおじいさんとおばあさんが、毎晩神さまにお祈りをしました。
「どうか、子どもを一人さずけてください。子どもがいたら、どんなに心強いでしょう。どうか願いを、きいてください」
ある晩の事、お祈りをすませたおじいさんとおばあさんは、近くの川にカゴをしかけました。
「今夜カゴをしかけておいて、かかったものをわしらの子どもにしよう」二人は、そう決めたのです。そんな二人を、遠くから見ているものがありました。それは暗い夜空にかがやく、レモン色の大きな月です。
 翌朝、小川にしかけたカゴを見て、二人は思わずニッコリとほほえみました。
 カゴには、一羽の子ガモがかかっていたのです。
「かわいい子じゃないか、おばあさん」
「ええ、かわいい子どもですね」
 おじいさんとおばあさんは子ガモをだいて帰ると、古いマスの中にそっと入れました。そしておじいさんとおばあさんは、
「わしらは森にキノコをとりに行ってくるから、しっかり留守番(るすばん)をたのむぞ」と、本当の子どもに言うように子ガモに言って、出かけて行きました。

翼をもらった月


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