EPISODE.3 「ひとりぽっちの誕生日」(3)
2023-08-20 来源:百合文库
「これだから女ってやつは…」
これ以上長引くと返って面倒なことになると思い、昼休みに会うことにした。
人目につかないように会社から少し離れたビルのレストランを選んだ。何かにつけ、細心の注意が必要なんだ。彼女は暗い表情をしてやってきた。なんだか思いつめたような感じがする。嫌な予感がした。とにかく話だけ聞いて、早く切り上げなければならない。そう思っていた矢先、彼女は突然難題をぶつけてきた。話を聞けば、両親に見合いをせまられたという。結婚を約束人がいるから断ろうとしたら、その人間に合わせろうと言っているらしい。それが出来なければ、田舎に帰って来いというのだ。しかも、両親が状況して来るのは今日だというではないか。
「なぜもっと早く言わない」と窘めると。ここのところを会ってもくれないし、電話でも碌に話を聞いてくれないと逆に言い返された。しかも、今日は僕の誕生日だから、一緒に祝うつもりでいたのに、時間も作ってもくれないっと。
まあ、確かにそうだが、しかし、よりによって今日はまづい。いや、今日だけじゃない、まだ結婚するには早すぎる。まったく、面倒な話を持ち込んでくれたものだ。今の僕はそれどころじゃないのに。面倒くさくなった。