もち屋の禅問答(4)
2023-08-02日语睡前故事20210406 来源:百合文库
と、ビックリして寺ヘ帰って来ました。
すると、これはまたどうした事か、六助さんは和尚さんを前にしてカンカンに怒っています。
小僧は六助さんの前に手をついて、ていねいに、
「もし、もし。六助さま。一体、どうなさいました?」
と、尋ねると、もち屋の六助は、
「なさいましたも、クソも、ないもんだ。えーい、わしゃ、この年まで色んな人におうてきたが、今日の坊主ほど、ずうずうしい奴におうた事はないわい」
「・・・?」
「あのクソ坊主め。手真似で小さな輪を作って、
『お前のもちは、これくらいか?』
と、聞きおった。
わしは腹が立って、こんちくしょうとばかり両手で、でっかい奴を作って見せたわい。
すると今度は、人差し指を差し出して、
『それはいくらか?』
と、聞く。
わしが、
『五厘じゃ!』
と、五本の指を出せば、坊主め、三本の指を出しおって、
『三厘にまけろ』
と、ぬかしおった。
あんまり腹が立ったもんで、わしゃ、アカンベエをしてやったわい」
と、言ったのです。
おしまい
すると、これはまたどうした事か、六助さんは和尚さんを前にしてカンカンに怒っています。
小僧は六助さんの前に手をついて、ていねいに、
「もし、もし。六助さま。一体、どうなさいました?」
と、尋ねると、もち屋の六助は、
「なさいましたも、クソも、ないもんだ。えーい、わしゃ、この年まで色んな人におうてきたが、今日の坊主ほど、ずうずうしい奴におうた事はないわい」
「・・・?」
「あのクソ坊主め。手真似で小さな輪を作って、
『お前のもちは、これくらいか?』
と、聞きおった。
わしは腹が立って、こんちくしょうとばかり両手で、でっかい奴を作って見せたわい。
すると今度は、人差し指を差し出して、
『それはいくらか?』
と、聞く。
わしが、
『五厘じゃ!』
と、五本の指を出せば、坊主め、三本の指を出しおって、
『三厘にまけろ』
と、ぬかしおった。
あんまり腹が立ったもんで、わしゃ、アカンベエをしてやったわい」
と、言ったのです。
おしまい