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もち屋の禅問答(3)

2023-08-02日语睡前故事20210406 来源:百合文库

もち屋の禅問答


『五界を照らす!』
と、答えなさる。
 負けてはならじと、三本の指を出して、
『三仏身(さんぶつしん)は、これいかに?』
と、問いもうした。
 すると和尚どのは、『目の下にあり』と、答えなされたのじゃ」
 そこまで言うと旅の僧は、しみじみと小僧さんの顔を見て、
「お前さんはまだ年が若いで知るまいが、
 三仏身とは、すなわち法身(ほっしん)・報身(ほうしん)・応身(おうしん)のご三体で、ほっしんとは宇宙の法理であって、光明かがやく仏さま。
 ほうしんとは、世のもろもろの悪を清め、われわれ人間はじめ全ての生物をお救いなさる阿弥陀如来(あみだにょらい)さま。
 おうしんとは、ときに応じて、われわれを導く為に現れなさるお方、いわばお釈迦(しゃか)さまじゃ。
 このもったいないお三方が、和尚どのの目下にあるとは、ああ、なんと、なんと」
 旅の僧は涙ぐんで、小僧さんの前に手をつくと、
「まことに、まことに、あの様なお方にお目にかかるばかりか、問答などをいたしまして、いやはや、面目(めんもく)しだいもございませぬ」
と、わびるように言いました。
 小僧さんは、
(ヒェー! あのもち屋の六助さんが)

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