百合文库
首页 > 网文

節分の鬼(3)

2023-08-02日语睡前故事20210401 来源:百合文库
 おじいさんは震えながら、やっとの事で言いました。
「す、すると、おめえさんたちは節分の鬼?」

「んだ、んだ。こんなうれしい事はねえ。まんずあたらしてけろ」
と、ズカズカと家に入り込んで来ました。
「ま、待ってろや。今、たきぎを持って来るだに」
 この家に客が来たなんて、何年ぶりの事でしょう。

 たとえ赤鬼と青鬼でも、おじいさんにはうれしい客人でした。
 赤鬼と青鬼とおじいさんが、いろりにあたっていると、またまた人、いえ、鬼が訪ねて来ました。

「おばんでーす。おばんです」
「『鬼は~内』ってよばった家は、ここだかの?」
「おーっ、ここだ、ここだ」
「さむさむ。まずは、あたらしてもらうべえ」
 ぞろぞろ、ぞろぞろ、それからも大勢の鬼たちが入って来ました。

 何と節分の豆に追われた鬼がみんな、おじいさんの家に集まって来たのです。
「何にもないけんど、うんと温まってけろや」
「うん、あったけえ、あったけえ」
 おじいさんは、いろりにまきをドンドンくべました。

節分の鬼


 十分に温まった鬼たちは、おじいさんに言いました。
「何かお礼をしたいが、欲しい物はないか?」
「いやいや、何もいらねえだ。あんたらに喜んでもらえただけで、おら、うれしいだあ」
「それじゃあ、おらたちの気がすまねえ。どうか、望みをいうてくれ」
「そうかい。じゃあ、温かい甘酒でもあれば、みんなで飲めるがのう」

「おお、引き受けたぞ」
「待ってろや」

 鬼たちは、あっという間に出て行ってしまいましたが、
「待たせたのう」

 しばらくすると、甘酒やら、ごちそうやら、そのうえお金まで山ほどかかえて、鬼たちが帰って来ました。
 たちまち、大宴会の始まりです。

「ほれ、じいさん。いっペえ飲んでくれや」
 おじいさんも、すっかりご機嫌です。
 こんな楽しい夜は、おかみさんや息子をなくして以来、始めてです。
 鬼たちとおじいさんは、一緒になって大声で歌いました。

♪やんれ、ほんれ、今夜はほんに節分か。
♪はずれ者にも、福がある。

節分の鬼


猜你喜欢